2003年 - 2004年
精神遅滞関連遺伝子ATRX変異マウスを用いた記憶・学習障害と遺伝子制御異常解明
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
精神遅滞とαサラセミアを呈するATRX症候群の原因遺伝子がX染色体上に存在することが明らかになり、そのエクソン2変異が中等度の知能低下を引き起こすことが報告された。そこでハーバード大学En Li博士、別府秀幸博士との共同研究によりATRX遺伝子エクソン2変異マウスを作製し、本マウスを行動解析に適するように129系から6世代までC57BL6系にバッククロス(N6)した。N6系マウスを用い、平成15-16年の2年間で以下に示す研究成果を得ることができた。
1)ATRX変異マウスは形態異常がなく、正常に発育したが野生型より体重が低い傾向があった。
2)ATRX遺伝子エクソン2の変異箇所にLacZ遺伝子を挿入した。そこで中枢神経系でのβgal発現を検討したところ大脳皮質、小脳、海馬体で発現が確認された。次に、ATRXのC末端部を認識する抗体で免疫染色を行なったところ、野生型に比べATRX変異マウスでは大脳皮質、小脳、海馬体でその発現低下を認めた。
3)ATRX変異マウスmRNA発現の結果、エクソン2でmRNA発現がストップするものとエクソン2でスプライシングするmRNAが存在することが判明した。従ってATRXのC末端を認識する抗体を用いて脳組織のウエスタンブロットを行うと変異マウスは野生型に比べ約50%の蛋白発現低下を認めた。
4)行動解析を行なった。その結果、ATRX変異マウスは野...
1)ATRX変異マウスは形態異常がなく、正常に発育したが野生型より体重が低い傾向があった。
2)ATRX遺伝子エクソン2の変異箇所にLacZ遺伝子を挿入した。そこで中枢神経系でのβgal発現を検討したところ大脳皮質、小脳、海馬体で発現が確認された。次に、ATRXのC末端部を認識する抗体で免疫染色を行なったところ、野生型に比べATRX変異マウスでは大脳皮質、小脳、海馬体でその発現低下を認めた。
3)ATRX変異マウスmRNA発現の結果、エクソン2でmRNA発現がストップするものとエクソン2でスプライシングするmRNAが存在することが判明した。従ってATRXのC末端を認識する抗体を用いて脳組織のウエスタンブロットを行うと変異マウスは野生型に比べ約50%の蛋白発現低下を認めた。
4)行動解析を行なった。その結果、ATRX変異マウスは野...
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- 課題番号 : 15500210
- 体系的課題番号 : JP15500210