論文

2015年7月

ラット大臼歯における感染歯髄のαTCP含有抗生物質に対する応答(Responses of infected dental pulp to αTCP-containing antimicrobials in rat molars)

Archives of Histology and Cytology
  • Sato Takuichi
  • ,
  • Kenmotsu Shin-ichi
  • ,
  • Nakakura-Ohshima Kuniko
  • ,
  • Takahashi Nobuhiro
  • ,
  • Ohshima Hayato

73
4-5
開始ページ
165
終了ページ
175
記述言語
英語
掲載種別
出版者・発行元
国際組織細胞学会

光学・電子顕微鏡を用いて、蛋白質遺伝子産物(PGP)9.5とクラスII主要組織適合遺伝子複合体分子の免疫染色より、感染歯髄の治癒過程での抗生物質に対する神経系細胞と免疫細胞の応答を検討した。ラットモデルを用いた実験では、歯髄-象牙質境界に沿って多数の樹状細胞が集積し、次いで3Mix(シプロフロキサシン・メトロニダゾール・セファクロール)含有α-リン酸三カルシウム(αTCP)の適用後に象牙芽細胞様細胞の分化とマトリックス沈着が認められた。PGP9.5活性神経線維も、3Mix含有αTCPの下の歯髄中間に集積した樹状細胞の周辺に密集して分布していた。以上より、3Mix含有αTCPを感染した歯髄に適用すると、樹状細胞が一時的に誘導されると考えられ、これらの細胞は病的状態下の象牙芽細胞様細胞の分化に際して重要な役割を果たしていると考えられた。

ID情報
  • ISSN : 0914-9465
  • 医中誌Web ID : 2017240074

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