共同研究・競争的資金等の研究課題

2011年 - 2013年

ヒストンH4リジン20のメチル化を介した染色体機能の解析

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(C))  基盤研究(C)

課題番号
23616009
体系的課題番号
JP23616009
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
5,330,000円
(直接経費)
4,100,000円
(間接経費)
1,230,000円
資金種別
競争的資金

真核細胞の染色体を構成するヒストン蛋白質は種々の翻訳後修飾を受ける。これらの修飾は染色体の最小基本単位であるヌクレオソームの可動性や相互作用に影響を与え、あるいはその修飾を特異的に認識する蛋白質の動員を惹起する。これによって染色体は構造変換を受け、DNAの複製、転写、修復といった種々の細胞機能の制御に関与する。 ヒストンのメチル化はその修飾部位の違いだけでなく、同一部位の異なるレベルのメチル化が異なる細胞機能に関わることが知られており、なかでもヒストンH4リジン20残基 (H4K20)のメチル化は細胞周期の中で動的に制御されていることが特徴である。哺乳類ではPR-Set7を含む三つの酵素が異なるレベルのメチル化を制御し、これが細胞周期を制御する上で極めて重要であることが、我々を含むグループの研究から明らかになった。 H4K20メチル化ペプチドを用いた細胞内結合蛋白の検索によりこれまでDNA複製起点を認識する複合体ORCの関連蛋白質を同定しており、この解析よりヒストンメチル化が複製起点の認識部位として機能している可能性が示唆された。細胞周期同調後のPR-Set7のノックアウトにより、S期進行阻害が観察されたこととあわせてメチル化とDNA複製開始機構の密接な関連が示唆される。哺乳類細胞におけるDNA複製にヒストンのメチル化が関与することが明らかになりつつあり、現在培養細胞を用いた解析を継続中である。 転写調節におけるH4K20メチル化の機能を明らかにする目的で、現在組織特異的あるいは細胞周期調節以外のH4K20メチル化については条件特異的遺伝子マウスを用いて解析を進めている。現在までに皮膚特異的に発現を欠損するマウスを作成することに成功し、その解析結果を論文として公表した。

リンク情報
URL
http://kaken.nii.ac.jp/d/p/23616009.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-23616009
ID情報
  • 課題番号 : 23616009
  • 体系的課題番号 : JP23616009