2019年4月 - 2022年3月
iPS細胞由来変異型IDH神経膠腫モデルを用いた腫瘍化機序の解明と新規治療の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
IDH変異は、神経膠腫や白血病においてdriver mutationとされている。神経膠腫において、腫瘍化過程のどのタイミングでIDH遺伝子に変異が生じるのか、またその後どのような遺伝子発現が腫瘍化に関与しているのか、その結果どのような代謝の変化が生じているのかはほとんど明らかになっていない。
本研究では、①iPS細胞を用いたIDH変異による腫瘍化機構の解明と、②変異型IDHと野生型IDH神経膠腫における遺伝子学的・代謝学的差異に基づく新規治療法の開発を目的としている。
①iPS細胞に変異型IDHを発現するプラスミドを導入したところ細胞は生存しなかったため、Doxycyclineの量で発現を調節できるプラスミドを作成し導入した。Doxycyclineの調節により変異型IDHを発現し、かつ細胞増殖を維持できることはできたが、progenitor cellへと分化しなかった。それ故、まずiPS細胞をprogenitor cellへと分化誘導し、分化したprogenitor cellへ変異型IDHあるいはp53やRbの系を抑制するHPV16E6E7を導入した。今後、テロメア長を維持させ不死化細胞作製予定である。
②アストロサイトに変異型IDHを導入させ腫瘍化させたモデルと、変異型IDHに依存せず変異型Rasを導入し腫瘍化させたモデルを用いて、RNAseqによる網羅的遺伝子解析を行い、変化した遺伝子群に関しmetascape解析を行った。また、キャピラリー電気泳動-飛行時間型質量分析計を用いた網羅的代謝解析を行った。その結果、いくつかの経路が標的として候補にあがったためその阻害剤を用いたところ変異型IDHモデルと野生型IDHモデルとに抗腫瘍効果の差を認めた。またそのメカニズムを詳細に検討した。今後はPDXモデルでの検討を行う。
本研究では、①iPS細胞を用いたIDH変異による腫瘍化機構の解明と、②変異型IDHと野生型IDH神経膠腫における遺伝子学的・代謝学的差異に基づく新規治療法の開発を目的としている。
①iPS細胞に変異型IDHを発現するプラスミドを導入したところ細胞は生存しなかったため、Doxycyclineの量で発現を調節できるプラスミドを作成し導入した。Doxycyclineの調節により変異型IDHを発現し、かつ細胞増殖を維持できることはできたが、progenitor cellへと分化しなかった。それ故、まずiPS細胞をprogenitor cellへと分化誘導し、分化したprogenitor cellへ変異型IDHあるいはp53やRbの系を抑制するHPV16E6E7を導入した。今後、テロメア長を維持させ不死化細胞作製予定である。
②アストロサイトに変異型IDHを導入させ腫瘍化させたモデルと、変異型IDHに依存せず変異型Rasを導入し腫瘍化させたモデルを用いて、RNAseqによる網羅的遺伝子解析を行い、変化した遺伝子群に関しmetascape解析を行った。また、キャピラリー電気泳動-飛行時間型質量分析計を用いた網羅的代謝解析を行った。その結果、いくつかの経路が標的として候補にあがったためその阻害剤を用いたところ変異型IDHモデルと野生型IDHモデルとに抗腫瘍効果の差を認めた。またそのメカニズムを詳細に検討した。今後はPDXモデルでの検討を行う。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K09468