共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

タンパク質のメチル化修飾を介した新たな骨格筋量の制御機構の解明とその臨床応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K07315
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

老化や疾患で生じる骨格筋量の減少(筋萎縮)は、高齢者や患者の活動量や生存率を低下させ、健康寿命の延伸を妨げる主要因である。しかしながら、安全で有効な筋萎縮の治療法はいまだ存在しておらず、筋萎縮の治療法を確立することは超高齢化社会を迎えた本邦にとって喫緊の課題となっている。我々はこれまでに、メチル化酵素Mettl21eのノックアウト(KO)マウスを作製し、Mettl21eの欠損により全身の骨格筋の萎縮が生じることを見出している。興味深いことに、筋萎縮において通常認められるタンパク質の分解の亢進はこのマウスでは観察されず、代わりにタンパク質のメチル化修飾の消失が観察された。よって、メチル化修飾レベルの変化を介して骨格筋量を制御する新たな分子機構が存在している可能性が非常に高い。
本年度は、メチル化修飾の有無によりこの酵素の標的となるタンパク質の機能に変化が生じるかを明らかにするために、野生型とMettl21e KOマウスの骨格筋からタンパク質を生化学的に精製し、その活性の変化を生化学的、生物物理学的に測定した。これにより、メチル化修飾の有無によってタンパク質の機能に影響が生じることを明らかにした。また、メチル化修飾を特異的に認識する非常に高感度なモノクローナル抗体を作製し、この抗体を用いて骨格筋組織におけるメチル化の局在を明らかにした。さらに、ヒト骨格筋細胞を筋管細胞へと分化させて、ヒトの筋管細胞への高効率な遺伝子導入手法の検討を行った。

ID情報
  • 課題番号 : 20K07315