クモ膜下出血に対しCT血管撮影およびCT灌流画像(CTP)を施行した患者のうち、初診時World Federation of Neurological Surgeons分類でgrade Vと診断した22例(男9例、女13例、平均65.9歳)について報告した。動脈瘤の部位は前大脳動脈6例、内頸動脈3例、中大脳動脈7例、椎骨脳底動脈6例で、治療は開頭クリッピング術或いはトラッピング術7例、コイル塞栓術4例、脳室ドレナージ術1例、保存的加療10例であった。3ヵ月後の転帰はGlasgow Outcome Scaleでgood recovery(GR)2例、moderate disability(MD)2例、severe disability 3例、vegetative state(V)1例、death(D)14例であった。CTP所見は、転帰不良(V・D)15例中11例に両側性び漫性に平均通過時間(MTT)の延長、脳血流量・脳血液量低下が認められた。転帰良好(GR・MD)4例ではMTT延長部位が片側或いは三つ以下の傾向で、症候性脳血管攣縮による状態増悪はなかった。