共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

インターネット依存における頸性うつをターゲットとした身体的精神的影響の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K10103
体系的課題番号
JP18K10103
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

インターネット普及に伴い、インターネット依存による昼夜逆転やうつ状態などの精神的問題が世界中で報告されている。また、スマートフォンなどの使用による頭部前傾の影響によって、頸椎の早期摩耗や破損、変形に関与する可能性が示唆されている。さらに、近年新しく提案されてきた疾病概念に、頸性うつ状態がある。新しい時代の健康課題として、インターネット依存と抑うつ状態、頸部負荷の関係性の解明に際し、特に過労状況になりやすい学校教職員において、これらの関連を明らかにすることは予防医学上、重要な意味をもつ。
平成30年度は、全国調査に向けた予備調査を行った。隣接する2つの県をモデルとし、両県内で中学校・高校を全数に対し、所属する全教職員を対象に、インターネット使用状況と頸部障害および抑うつ状態の実態に関するプレテストを行い、インターネット依存や頸性うつ状態などの有病率を予備的に明らかにすることを目的とした。
調査票の回収状況は、モデル2県の中学校・高校総数241校に対し、119校より協力が得られた(学校回答率49.4%)。教職員個別の質問票回収状況は、対象者9990人に対し、回答3314人であった(回答率33.2%)。私用目的でのインターネット使用状況として、平日利用時間は30分未満が最多であったが、休日の利用時間は30分以上59分未満が最多となり、6時間以上の利用者が13.0%みられた。続いて、頸部痛に関連する項目として、自覚的な頸部痛の有訴率は32.6%であり、物の持ち上げ・読書・車運転への影響がある者は約15%程度にみられた。抑うつにつながる勤労意欲に関する項目では、仕事への活力や熱心さなどの項目において、およそ20%前後に自身の意欲を感じないことがあることが分かった。
本研究で、インターネット依存や頸性うつ状態などの有病率を予備的に明らかにできた。今後詳細な検討を加える予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K10103
ID情報
  • 課題番号 : 18K10103
  • 体系的課題番号 : JP18K10103