2013年3月29日
ミルキークイーンの出穂性を改変した水稲品種「ミルキーサマー」の育成
作物研究所研究報告
- 巻
- 号
- 14
- 開始ページ
- 77
- 終了ページ
- 95
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 農業技術研究機構作物研究所
水稲品種「ミルキーサマー」は、DNAマーカー選抜を用いて「ミルキークイーン」の遺伝的背景にインド型品種「Kasalath」由来の早生性の出穂性遺伝子Hd1を含む約560kbのゲノム領域を持たせた出穂性の同質遺伝子系統である。2006年から「関東IL7号」の地方系統番号で各府県の奨励品種決定調査に供試された後、2011年に新品種「ミルキーサマー」として品種登録された。「ミルキーサマー」の主要な特徴は、次のとおりである。1. 出穂期は、育成地では「ミルキークイーン」より13日早生であるが、沖縄県では3日晩生である。2. 稈長は、育成地では「ミルキークイーン」と比べて短稈であるが、沖縄県ではわずかに長い。3. 育成地での玄米収量は「ミルキークイーン」よりわずかに少ないが、沖縄県では10%多収である。4. 「ミルキークイーン」と同じ低アミロース遺伝子Wx-mqを有する低アミロース米で、炊飯米は粘りがあり、食味は「ミルキークイーン」とほぼ同等に優れる。5. 以上の出穂性、収量性、食味などの特性から、「ミルキーサマー」は沖縄県の二期作栽培地帯では多収の低アミロース米品種として、また暖地・温暖地の早期栽培地域では早期出荷が可能な低アミロース米品種として、普及・活用が期待される。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1346-8480
- J-Global ID : 201302212326203515
- CiNii Articles ID : 220000155059
- CiNii Books ID : AA11581884