2021年4月 - 2023年3月
ハーディ・ガーディ受容に関する音楽学的研究:18世紀の演奏習慣の比較を通して
独立行政法人日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
本研究の目的は、(1)18世紀フランスにおけるハーディ・ガーディ演奏の意義と、(2)この楽器がウィーン古典派の音楽家および音楽作品へ及ぼした影響を解明することである。具体的な研究内容としては、(a)フランスにおける演奏実態と、(b)オーストリア・ハンガリーにおける演奏実態の調査、(c)それらの比較検討であるが、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響を受けて、2021年度は当初の計画を一部変更して研究を遂行した。フランス国立図書館(BnF)をはじめとするヨーロッパの図書館ならびに美術館および博物館での資料収集は、デジタル・アーカイヴの利用や複写取寄にて代替した。しかし、本研究の根幹となる18世紀ドイツ語圏における当該楽器の出版作品数の調査に関しては、現地調査が困難であることから実施することができなかった。当該年度に提出した博士論文は、当該楽器の受容状況および社会的表象性の比較を中心に据えて論じたものであるが、昨今の情勢の煽りを受けて、本研究課題名にもある「18世紀のフランスおよびドイツ語圏におけるハーディ・ガーディの演奏習慣」に関しては副次的な言及に留めざるを得なかった。 当初予定していた方法とは異なるものの、18世紀のハーディ・ガーディの演奏習慣をさらに詳らかにすべく、(i)当時フランスで出版された当該楽器の教本の精読、(ii)当該楽器が上流階層の人びとに演奏されるようになった一因でもあるサヴォワ地方での演奏実態に関する調査、以上2点の課題に取り組んでいる。
- ID情報
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- 課題番号 : 21J12656
- 体系的課題番号 : JP21J12656