2018年4月 - 2021年3月
樹木ナノセルロースの半導体化とセンサー機能創出
日本学術振興会 科研費・基盤研究B 基盤研究(B)
近年、電子デバイスの生産量が急増し、枯渇性資源の消費が加速している。また、多量の電子ゴミが生じ、人や環境への悪影響を招いている。そのため、持続可能資源由来で、人と環境に優しい電子デバイスの創出が希求されている。その中で我々は、持続生産可能な樹木ナノセルロースを生分解性基材として応用し、電子ペーパー、メモリ、センサなど、高性能で人にも環境にも優しいグリーンな電子デバイス素子を開発してきた。しかし、ナノセルロースは完全な絶縁体であるため、電子デバイスの動作に必要な半導体や導体には、金属・石油など枯渇性資源由来の電子材料が不可欠であった。
そこで本研究では、全て樹木ベースのグリーンエレクトロニクスの実現を目指し、絶縁性ナノセルロース自体の電子材料化(半導体・導体化)に取り組んでいる。これまでに、ナノセルロースの段階的炭化戦略により、その電気特性を絶縁体~半導体~準導体の広範囲で細かくチューニング(電気抵抗率:10^14~10^-2 Ω cm、光学バンドギャップ:5.3~0 eV)することに成功した。今年度は、段階的に炭化したナノセルロースの分子構造・結晶構造分析、電子顕微鏡観察などの各種解析を行うことで、その電気特性変調に関するメカニズムを詳細に検証した。その結果、高絶縁性ナノセルロースの内部で、高導電性グラフェンナノフラグメントが徐々に成長することにより、その電気特性が大幅かつ段階的に変調していることが明らかとなった。
そこで本研究では、全て樹木ベースのグリーンエレクトロニクスの実現を目指し、絶縁性ナノセルロース自体の電子材料化(半導体・導体化)に取り組んでいる。これまでに、ナノセルロースの段階的炭化戦略により、その電気特性を絶縁体~半導体~準導体の広範囲で細かくチューニング(電気抵抗率:10^14~10^-2 Ω cm、光学バンドギャップ:5.3~0 eV)することに成功した。今年度は、段階的に炭化したナノセルロースの分子構造・結晶構造分析、電子顕微鏡観察などの各種解析を行うことで、その電気特性変調に関するメカニズムを詳細に検証した。その結果、高絶縁性ナノセルロースの内部で、高導電性グラフェンナノフラグメントが徐々に成長することにより、その電気特性が大幅かつ段階的に変調していることが明らかとなった。
- ID情報
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- 課題番号 : 18H02256
- 体系的課題番号 : JP18H02256
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論文
1-
ACS Nano 16(6) 8630-8640 2022年6月28日 査読有り筆頭著者責任著者