共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

近代移行期の西国日本における地方都市と商人・流通業者

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K13336
体系的課題番号
JP19K13336
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
1,950,000円
(直接経費)
1,500,000円
(間接経費)
450,000円

本研究は、近代移行期における西国日本(特に播磨国・摂津国)の地方都市や商人・流通業者についての史料を収集し、地方都市の内部構造と商人・流通業者の商品流通機能と金融機能の変容過程を明らかにすることを目的としている。具体的な作業としては、①播磨国西部(兵庫県西部)地域の有力農民・米穀商であった堀家(堀謙二家文書)の分析、②摂津国西部(兵庫県東部)の地方都市である御影村とその周辺の町・村にかかわる文書群(御影村文書等)の分析、加えて補助的な調査・分析として③備中国南部(岡山県南西部)の地方都市(倉敷等)における商人・流通業者の文書群(大橋家文書等)の分析等を行うことを計画していた。
このうち、本研究の1年目(平成31年度〈令和元年度〉)の課題は、A:播磨国西部(上記①)とB:摂津国西部(上記②)の史料調査を行い、収集した経営・地域経済関係文書の数量データを一定程度整理・分析することであった。Aについては、たつの市立龍野歴史文化資料館にて堀謙二家文書の史料調査を行い、同家の金融・商業関係帳簿のデータを整理して金融活動の内容や資産の推移を一定程度明らかにした。そして、この分析成果の一部を、岡山地方史研究会12月例会にて報告した。Bについては、神戸大学文学部古文書室において御影村文書等の調査・撮影を行い、主に地方都市の土地関係史料の収集と一定程度のデータ整理を進め、Aの成果とも合わせて、近世後期の地方都市の内部構造や商人の動向について分析を行った。その他、2年目以降、新たに分析対象とする史料を調査することも1年目の計画に含まれていたため、岡山県立記録資料館、大阪歴史博物館、伊丹市立博物館などの施設にて史料調査を行った。
なお、上記の研究の対象地域である近世後期~近代初期における西国日本にかんして、『民衆史研究』97号、『日本歴史』854号において、重要な先行研究に対する書評を公表した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K13336
ID情報
  • 課題番号 : 19K13336
  • 体系的課題番号 : JP19K13336