MISC

2019年12月

大規模健診時血圧データに基づく加齢に伴う血圧推移に関する縦断解析

日本循環器病予防学会誌
  • 佐藤 倫広
  • 村上 任尚
  • 小原 拓
  • 辰巳 友佳子
  • 高畠 恭介
  • 原 梓
  • 浅山 敬
  • 今井 潤
  • 菊谷 昌浩
  • 大久保 孝義
  • 目時 弘仁
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54
3
開始ページ
163
終了ページ
170
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本循環器病予防学会

【目的】加齢に伴う血圧推移に関する報告は散見されるものの、横断的調査に基づく検討がほとんどである。本研究では、健康保険組合の健診時血圧データを前向きに解析し、血圧の加齢に伴う推移を男女別に明らかにすることを目的とした。【方法】株式会社JMDCより、2008年4月〜2017年3月の間に、年に約1回実施される健診を複数回受診した30〜74歳のデータを受領し、そのうち血圧および降圧治療データを有する386,760名を分析対象とした。説明変数として性、年齢、性×年齢、および反復効果として年齢を設定した線形混合モデルによる反復測定解析を行った。各年齢のデータを横断的に集計し、高血圧有病割合および降圧治療割合を算出した。【結果】ベースラインを除く追跡中の健診受診回数が4回以上の対象者は338,839名(87.6%)であり、総データ数は2,235,055ポイントであった。男性の収縮期血圧は、36歳の121.1mmHgから66歳の129.7mmHgまで上昇し、その後は横這いであった。女性の収縮期血圧は、33歳の109.7mmHgから74歳の131.9mmHgまで一貫して上昇し、70歳を境に男女の収縮期血圧レベルは逆転していた。拡張期血圧は、男性で56歳の80.0mmHg、女性で64歳の74.6mmHgのピークまで上昇し、その後は低下していた。高血圧有病割合は、男女ともに高齢になるに従い上昇し、女性に比べ男性で高値を示した。高血圧有病者における降圧治療割合は、男女ともに高齢になるに従い上昇していたが、50歳以前は男女ともに50%を下回った。【結論】収縮期血圧は男女で加齢とともに直線的に上昇していた。また、加齢に伴う拡張期血圧の推移は、50〜60歳をピークとした逆U字型であったが、そのピークは男性よりも女性で約10歳遅いことが示唆された。また、若年齢層ほど、降圧治療割合が不十分であることが示唆された。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 1346-6267
  • 医中誌Web ID : 2020136027

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