2018年11月
看護学生の睡眠の質に影響を及ぼす生活習慣の要因 -アクチグラフを用いた検討-
日本医学看護学教育学会誌
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- 巻
- 27
- 号
- 2
- 開始ページ
- 36
- 終了ページ
- 44
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 日本医学看護学教育学会
本研究は看護学生を対象とし,アクチグラフを用いて睡眠の質に影響を及ぼす生活習慣に関する要因を明らかにすることを目的とした。4年制大学の看護学生4年生20名を対象とし,基本属性,生活習慣,睡眠状況をPittsburgh Sleep Quality IndexのJapanese version (PSQI-J) を用いて自記式質問紙調査を行い,アクチグラフによる睡眠/覚醒の測定を3日間実施した。本研究は所属大学の保健学倫理委員会の承諾を得て行った。質問紙は20名,アクチグラフは17名を分析対象とした。就寝時刻が遅い者(z=-2.267, p=0.023)や起床時刻が遅い者(z=-2.255, p=0.024)では睡眠障害を有する割合が有意に高かった。また,就寝時に明かりをつける者はつけない者よりPSQI総合得点が有意に高かった。(z=-2.117, p=0.034)。アクチグラフの結果では,就寝前にアルコールやカフェインを飲む者は中途覚醒や睡眠中の活動量が多かった。また起床時刻が遅い者は朝食の欠食がみられた。さらに,床で寝た日があった者は中途覚醒が多く,日中の仮眠も認められた。以上の結果から,睡眠の質を低下させないためには,就寝前にアルコールやカフェインの摂取を控え,就寝時は明かりを消し寝床について寝ることが望ましい可能性が示唆された。また,就寝時刻が遅い者は起床時刻も遅く,朝食を欠食する可能性が考えられ,毎日早寝早起きをして朝食をとり,生活リズムを整えることが重要である。
- ID情報
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- J-Global ID : 201902238236393131