共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

精神障害やアディクションのある養育者とその子どもの支援に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K04193
体系的課題番号
JP17K04193
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

研究1「精神障害やアディクションのある養育者とその子どもの実態調査と支援ニーズの把握」について以下の2つの調査を進め、昨年度までの知見を深めた。
(1)全国児童相談長会が行った「平成25年度児童虐待相談ケース分析等に関する調査」の2次分析を行い、親にアディクションのある事例の特徴を調べた。虐待事例7418例のうち、加害者にアルコール依存症のある事例(AL群)は365例(4.9%)で、薬物依存症の事例(DR群)は111例(1.5%)だった。AL群とDR群は、問題がない群より、虐待の重症度が高く、経済的な困難、不安定な就労、ひとり親家庭、DV、育児疲れが有意に多い割合であった。被虐待児の症状では、AL群は非AL群より対人関係の問題、低い自己評価、感情不安定等が有意に高い割合で、DR群は非DR群よりも多動、望まれない出生が有意に高い割合であった。以上から親の依存症は虐待の発生や重症化に影響しており、児童福祉機関と依存症治療機関が連携して介入する手法を確立する必要であると考えられた。
(2)精神障害やアディクションのある養育者に育てられた方に対するWEB調査を行った。十分な回答のあった344例中、回答者自身に精神的問題がある者(189例)は、これがない群(155例)と比べると、親を世話する責任を感じていた者の割合、親から過保護に扱われた認識が有意に高かった。親に精神的問題がある場合、親が未治療で、子どもの自律性を尊重しない傾向があり、子どもに精神的な問題を生じやすいことが示唆された。
研究2-支援プログラムの作成や有効性の検証については、依存症の問題のある養育者や子どもに対して、依存症という病気の理解のためのパンフレットを作成している。内容はある程度できているが、デザインなどについてまだ決定できておらず、医療を用いる当事者やその子どもに意見をきいて、ブラッシュアップしていく予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K04193
ID情報
  • 課題番号 : 17K04193
  • 体系的課題番号 : JP17K04193

この研究課題の成果一覧

論文

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