西江 仁德

2002年からタンザニア・マハレ山塊国立公園のチンパンジーの調査・研究を続けています。とくにチンパンジーの文化とコミュニケーションについて、社会的相互行為の記述と分析から明らかにしようとしてきました。

チンパンジーの社会性を明らかにするために、生物学的アプローチだけではなく、相互行為分析などの社会科学的アプローチも積極的に援用しています。また、チンパンジーの生活史や生息域の生態史、研究者や地域住民との関係史を含めた「チンパンジーのエスノグラフィ」を編むプロジェクトを進めています。

2021年より京都大学学術出版会から刊行している「新・動物記」シリーズの共同編者として、本の編集・出版にも携わっています。2023年5月現在でシリーズ第8巻まで刊行し、今後も続巻の刊行を予定しています。これは、チンパンジーだけでなく、いろんな動物の研究の現場のおもしろさを研究者自身が振り返って語り直すことで、動物研究の過程を含めた「動物のエスノグラフィ」というジャンルを開拓するプロジェクトです。

「新・動物記」シリーズ（京都大学学術出版会）

https://www.kyoto-up.or.jp/series.php?id=157