2023年1月
J-PARCにおける加速器用パルス電源の半導体化
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット)
- 開始ページ
- 242
- 終了ページ
- 246
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
J-PARCでは、放電管のサイラトロンを用いたビーム取り出し用キッカー電磁石電源を代替する半導体短パルススイッチ電源、および既設のクライストロン電源システムを小型化・省電力化する半導体長パルス電源の高度化を進めている。キッカー用半導体スイッチ電源においては、誘導電圧重畳回路(LTD)方式を採用した40kV/2kA/1.2$\mu$sの実機仕様のユニット電源を製作し、必要な性能を確認した。そこで、本電源のメンテナンス性の向上と更なる安定化を目的とし、絶縁油を使わず、絶縁体構造のみでコロナ放電を抑制する高耐圧絶縁筒碍子の製作を進めている。また、クライストロン用半導体パルス電源においては、MARX方式を採用し、8kV/60A/830$\mu$sの矩形パルス出力用主回路ユニットと、矩形波電流の一様性を10\%から1\%に改善する800V/60Aの補正回路ユニットを製作した。さらに、本MARX電源用に2.2kV/2.4kWの高耐圧SiCインバータ充電器を製作し、組み合わせ試験による特性評価を進めている。発表では各試験の評価結果と、パルス電源の半導体化について今後の展望を報告する。