J-PARC入射器の開発
IFMIFオープンセミナー
- 開催年月日
- 2009年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 六ヶ所
- 国・地域
- 日本
J-PARC加速器では、ビーム入射器として負水素イオン源を使用する。J-PARC用負水素イオン源では、六ホウ化ランタン製フィラメントにて生成した負水素イオンを、直径9mmのビーム引き出し孔からビームエネルギー50keVで引き出す。また安定性を重視するためにセシウムは使用しない。六ホウ化ランタン製フィラメントは、KEK-PS施設で開発されたものをJ-PARC用に改造して使用している。イオン源とRFQを繋ぐ低エネルギービーム輸送系は、ソレノイド2台を使用したシステムとしている。加速器トンネルとイオン源電源室を隔てるコンクリート隔壁に設置する高電圧ダクトには、防火区画性と高気密性が必要であるが、そのようなダクトは世の中に存在しなかったため、関電工と共同で開発を行った。その結果、国土交通大臣認定方法及び材料の使用により防火区画性を、建築用高気密ゴムガスケットの使用により高気密性をそれぞれ実現し、その実用化に成功した。この成功により本ダクトは特許出願を完了させた。現在、本イオン源はJ-PARC第1期計画の要求性能を満足するビーム性能を有するとともに、ビーム調整は1日1回程度しか必要としない非常に高い安定性を有している。また連続運転時間については、それを決定付けるフィラメントが、現状、約2000時間の運転時間を達成し、目標の500時間を達成できる見込みを得た。