カーボンナノチューブワイヤーを用いた大強度3MeV H$^{-}$ビーム用バンチシェイプモニター
日本物理学会第74回年次大会
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- 開催年月日
- 2019年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 福岡
- 国・地域
- 日本
大強度陽子加速器施設J-PARCのリニアックでは、加速空洞間の縦方向ビームマッチング調整のためにバンチシェイプモニター(BSM)の開発、導入を進めている。既存BSMはビームをタングステンワイヤーに当てた際に生じる二次電子から縦方向のビーム情報を抽出している。しかしリニアック上流のRFQから出射された3MeV H$^{-}$ビームを測定する場合、タングステンワイヤーのビームに対する耐久性が問題となっていた。そこで、タングステンに代わるカーボンナノチューブ(CNT)ワイヤーを用いたBSM(CNT-BSM)の開発に着手した。だがCNTワイヤーを導入した場合、ワイヤーからの放電と放電時に放出された炭素等に起因する耐電圧の低下がCNT-BSM実現への課題であった。そのためベーキングなどによる真空対策を施すことにより、CNTワイヤーへ定格電圧(-10kV)を印加することに成功した。現在ワイヤーから生じた熱電子を用いた試験によりタングステンワイヤーとCNTワイヤーでのBSM信号応答の比較検証を進めている。本講演では、CNT-BSMの概要と最新の開発状況及び将来展望について報告する。