Apr, 2020 - Mar, 2023
ソフトロボットのためのフレキシブルなイオンゲルセンサの開発と実装
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
- Grant number
- 20K14696
- Japan Grant Number (JGN)
- JP20K14696
- Grant amount
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- (Total)
- 4,290,000 Japanese Yen
- (Direct funding)
- 3,300,000 Japanese Yen
- (Indirect funding)
- 990,000 Japanese Yen
本研究の目的は,「フレキシブルなイオンゲルセンサの開発」である.イオンゲルは電気伝導性を持つ高分子ゲルである.接触刺激を受けると歪みを起こし,それに伴抵抗値に変化が生じえるため,イオンゲルは接触センサの材料として利用できる.本研究では,シリコンにイオンゲル流路を組み込むことでやわらかく,外側が加工しやすいセンサの開発を目指す.今年度は①配置と軟度の組合せによる接触センサの特性変化の解析,②接触位置推定センサの性能解析,③ヒゲロボットの作製について研究を行った.①:3Dプリンタを用いて平面的な流路をもつイオンゲルセンサを作製,特性解析を行った.その結果,刺激方向とイオンゲルセンサの流路方向に関係があることが分かった.さらに平面的な2つの流路を組み合わせることで,三次元的な流路をもつイオンゲルセンサを開発した.抵抗値の他に静電容量値を読み取ることで,各流路のセンサ情報を取得することが可能となった.この内容は,来年度の国内学会で発表予定である.②:今年度は,昨年度開発した接触位置センサを基にインターフェース(センサと信号線の接続)の改良を行った.新センサで分解能を調査したところ,約20mmであることが分かった.ヒトの2点弁別閾(2点刺激を与えられたときに,2点の刺激だと感じられる最小距離)は,手のひらが10数mm,手の甲で30数mm,前腕が約40mmであることから,ロボットハンドやアームのセンサとして十分に応用可能である.③:ひげを模したイオンゲルセンサ(ひげセンサ)を作製し,感度の良いデザイン(流路の形状,ひげの位置など)を探索した.さらにひげセンサを搭載したネズミ型ロボットを開発した.走行実験を行ったところ,走行速度に依らずひげセンサがひげのたわみ具合を検知し,たわみ具合によって障害物を回避する行動が発現した.
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- Grant number : 20K14696
- Japan Grant Number (JGN) : JP20K14696