共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

高齢者における光治療応用はスケーリング後菌血症による生体応答変化を防げるか?

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K19021
体系的課題番号
JP19K19021
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

あらゆる観血処置にともない,一過性の菌血症が発生する。我々はこれまでの一連の研究で,中年期の歯周炎患者において,1) スケーリング・ルートプレーニング(SRP)後に高頻度で菌血症が発生すること,2) 抗菌薬(アジスロマイシン)併用やエルビウムヤグ(Er: YAG)レーザー治療により菌血症の発生を減少または抑制できること,3) 局所薬物配送システム(LDDS)は機械的除去療法前の使用でも歯周ポケット内環境を改善できることなどを報告してきた。一方,免疫力が低下している高齢者においては,菌血症が一過性で終わらず,全身性の高リスクとなる可能性がある。
そこで,高齢者に適した安全かつ効果的な歯周治療法を確立し,超高齢社会のニーズに応えるべく,本研究では慢性歯周炎を有する高齢者のSRP時に発生する菌血症,それにともなう生体応答の解析,および光治療(Er:YAGレーザー,抗菌的光線力学療法)による菌血症予防の有効性検討を目的とする。
具体的には,① ハンドスケーラー群:ハンドスケーラーにてSRP実施 ② エルビウムヤグ(Er: YAG)レーザー群:レーザーにて処置 ③ 抗菌的光線力学療法(a-PDT)併用群:a-PDT照射後にハンドスケーラーにて処置 の3群間で,(1) 菌血症の発生頻度・持続時間・規模(検出菌量) (2) 歯周ポケットおよび血中検出細菌のDNAタイプ解析 (3) 生体応答(炎症性メディエイター,ストレスマーカー) (4) 臨床パラメーター の経時的変化および相関関係を比較解析し,予防対策について検討する。
本年度はプロトコールを確定させ,現在,倫理委員会に申請準備中である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K19021
ID情報
  • 課題番号 : 19K19021
  • 体系的課題番号 : JP19K19021