共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

情報環境エンリッチメントによる新たな健康・医療戦略「情報医療」の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
19H01093
体系的課題番号
JP19H01093
配分額
(総額)
45,110,000円
(直接経費)
34,700,000円
(間接経費)
10,410,000円

1.齧歯類をもちいた情報環境エンリッチメントの作用機序の解明
高周波成分を豊富に含む音響情報が, マウスに与える影響について検討を行った. 音環境に使用した音の種類に応じて, マウスの活動性, 探索行動, ストレスレベルの指標である血中のコルチコステロン濃度が変化することを見いだした.
2.精神・神経疾患を対象とした情報環境エンリッチメントの臨床効果の検証
ハイパーソニック・エフェクトによって治療抵抗性のアンヘドニア症状の強いうつ病患者に対するCBTの効果が増強するかどうかについて検討するランダム化比較試験 (RCT)を継続した. 研究参加登録を完了した全目標症例数 (44例) のデータクリーニングおよびe-CRFへのデータ入力をすでに実施し, 第三者の外部生物統計学者による解析を実施した.
ハイパーソニック・エフェクトが報酬系神経回路を活性化する点に着目し, アルコール依存症に対する治療施設としてはわが国を代表する国立病院機構・久里浜医療センターとの共同研究として実施した. RCTで集まった症例 (40例) の解析を行った結果, ハイパーソニック・エフェクトにより, アルコールに対する渇望感が有意に低下することが明らかになった.
ハイパーソニック・エフェクトが持つ不安状態を低減する効果に着目し, 認知症の心理・行動症状 (BPSD) に対する新たな治療法開発を目的とした臨床研究については, COVID-19の影響により, 一切の臨床研究を中断せざるを得なかった. 今後, ワクチン接種の普及などにより, 状況が改善した折りに, 円滑に研究が再開できるよう, 複数の施設と共同研究に向けた打合せを実施した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H01093
ID情報
  • 課題番号 : 19H01093
  • 体系的課題番号 : JP19H01093