共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

発達障害の特性を持ち診断に至る前の幼児の親に対する地域包括子育て支援モデルの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K10414
体系的課題番号
JP18K10414
配分額
(総額)
2,990,000円
(直接経費)
2,300,000円
(間接経費)
690,000円

本研究の目的は、発達障害の特性を持つが、診断に至る前の幼児の家族に対して、認知行動理論にもとづいた前向き子育てプログラムを用いて、グループ支援と個別支援に加えて当事者同士の支援を複合した地域包括子育て支援モデルを開発し、地域における利用しやすい子育て支援拠点を創設することである。混合研究法によりその介入効果を明らかにする。
当該年度の研究計画は、地域包括子育て支援モデルの開発として、平成29年度以降に実施してきた、公立保育園分室子育て支援センターにおける前向き子育てプログラムの評価と成果報告である。2019年度までに実施したプログラムのデータについてデータ処理を行い、分析を実施した。量的側面の結果について、プログラムの実施前後で有意な改善が見られた。子育て支援拠点におけるトリプルPの介入は、親の子育てのスタイル及びメンタルヘルス、子どもの社交性や多動性の問題行動の改善や発達の促進につながる効果があると評価できる。
母親はプログラムの初期から育児場面で起こっている児の問題行動のきっかけや親の行動の影響への気づきがあり、介入後は過剰反応、子育ての困難度等に改善傾向が見られるとともに、児の「交友問題」「社交的行動」が臨床範囲から境界範囲になる等の変化が見られ、一定の効果がある。また、質的側面の結果について、1~3歳の未就園児の親を対象としていることから、初めての託児利用で子どもと離れた時間を持つことで、自らの子育てについて俯瞰でとらえることができ、プログラムにおいてエンパワーされ、新しい育児の方法に取り組む選択をするなどのデータがあり、個々の行動変容について、量的変化と統合して分析を行っている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K10414
ID情報
  • 課題番号 : 18K10414
  • 体系的課題番号 : JP18K10414