MISC

2020年8月

産業医と精神科医との連携

日本社会精神医学会雑誌
  • 中村 純
  • ,
  • 堀 輝

29
3
開始ページ
240
終了ページ
246
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本社会精神医学会

近年、わが国の職場では、うつ病などの精神疾患が増加し、それに伴う休職者や、治療を受けながらも働く労働者が増加しており、企業の生産性が低下し、労災や過労死、様々なハラスメントによる訴訟が増加するなど社会問題化している。そこで2015(平成27)年12月からは、メンタルヘルス不調の一次予防を目的に職場において、労働安全衛生法に基づいた「ストレスチェック」が始まった。このような背景から産業医にはメンタルヘルス対策が業務の一つとして義務づけられた。一方、治療者には、患者の職場における状況や職位、労働内容、労働時間、労務規定などの情報も治療や休職、復職判定をするうえで必要となってきている。特に復職に際しては、十分な社会適応能力、認知機能の回復、使用された薬剤の影響などを評価することが重要である。また、治療者と産業医はそれぞれの立場の違いを理解して、対象患者の事例性、疾病性を考慮しながら、労働者の精神疾患に対応する必要がある。産業医の中には精神疾患への理解に乏しい医師も多く、そのような産業医は、精神科医との実践を踏まえた経験から「なじみの精神科医」をつくり、互いに連携することが簡便な職場のメンタルヘルス対策になると考えられる。(著者抄録)

リンク情報
URL
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2020&ichushi_jid=J02767&link_issn=&doc_id=20200903190007&doc_link_id=%2Fdv3nisye%2F2020%2F002903%2F008%2F0240-0246%26dl%3D0&url=http%3A%2F%2Fwww.medicalonline.jp%2Fjamas.php%3FGoodsID%3D%2Fdv3nisye%2F2020%2F002903%2F008%2F0240-0246%26dl%3D0&type=MedicalOnline&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00004_2.gif
ID情報
  • ISSN : 0919-1372
  • 医中誌Web ID : 2020377951

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