論文

査読有り
2020年3月

乳がん治療・支援体制の構築と課題 事例報告

日本渡航医学会誌
  • 明石 雅子
  • ,
  • 渚 幸恵
  • ,
  • 堀 成美

13
2
開始ページ
79
終了ページ
81
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本渡航医学会

当院の国際診療部とがん化学療法看護認定看護師(がんCN)が経験した海外の患者の事例を振り返り、支援側の課題について検討した。事例は30代女性で、日本非在住の中国人であり、本国で乳がんリンパ節転移を疑い、診断・治療目的で来日した。最終診断は乳がんstage IIB・T2N2M0であった。生検、術前化学療法、手術(腋窩郭清含む)、放射線治療までを当院で行い、その後の補助療法は帰国後に行う予定とした。化学療法導入前に概算や前納金対応のため医事課、国際診療部コーディネーターと通訳が介入を行った。本事例では化学療法と手術代が約1000万円と概算され、前納がされない状況で治療を開始した。未収金対策の一環で、治療開始後に支払われた約1000万円から毎月月末に医療費の精算をし、残金の確認を行った。当院での治療が完了するまでに患者に対して行った医事課からの医療費説明は、月1回のペースで合計20回以上であった。治療の過程で患者と最もコミュニケーションをとったのは、専門知識を備え、気軽に話ができるがんCNであった。言語面の課題に対して、当院では診療の際は原則院内通訳もしくは病院側で手配をした通訳を利用し、患者の都合で外部通訳を使用する際は外部通訳の登録を行い通訳に関わる責任の所在を明らかにしている。外来での術前化学療法はFEC 4コース、DOC 4コースで、術後の放射線療法は25日間、毎回対応を行った。

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URL
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2020&ichushi_jid=J05362&link_issn=&doc_id=20200512470008&doc_link_id=%2Fdt7trahe%2F2019%2F001302%2F009%2F0079-0081%26dl%3D0&url=http%3A%2F%2Fwww.medicalonline.jp%2Fjamas.php%3FGoodsID%3D%2Fdt7trahe%2F2019%2F001302%2F009%2F0079-0081%26dl%3D0&type=MedicalOnline&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00004_2.gif
ID情報
  • ISSN : 1883-8065
  • 医中誌Web ID : 2020274577

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