共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

避難指示区域内の家屋内における放射性セシウムの経時的変化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K12306
体系的課題番号
JP19K12306
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

2011年の福島第一原子力発電所事故以来、除染によって家屋外の空間線量率は低減しますが、一方で家の中の汚染は定量的に評価する研究例が圧倒的に少ないことが実情で、家では安心できるのか、どのような対策が求められているのか、その情報が帰還前に明示されていなければなりません。家屋内の汚染は、放射性セシウムがダストとして混入することが原因であることは既によく知られている事実ですが、帰還後の居住を見据えた、時系列の情報が欠けています。私たちの研究では研究期間内(2019-2021年)に避難指示が緩和または解除される予定のエリアを中心に、様々な家屋に入り込む放射性物質を時系列で解析することを目的としています。
2021年度では2020年度の家屋の気密性について、そして2019年度の家屋周辺の測定に引き続きて、帰還困難区域内(特定復興再生拠点内含む)で用いられた防護服およびマスクについてガンマ線測定を行い、作業内容および作業時間によって発生しうる内部被ばくの程度を見積もりました。その結果、避難指示解除が難しい空間線量率(毎時3.8マイクロシーベルト)以上のエリアであったとしても、砂ぼこりが舞わない環境下であれば呼吸による内部被ばくは定量することが難しいレベルとなる一方で、周辺の空間線量率が自然放射線によるレベルと同一レベルの場所であっても、圧縮空気によるダストの吹き飛ばしなど、作業次第で呼吸による放射性セシウムの吸い込みが発生しうることを明らかにした。このことは今後の特定復興再生拠点をはじめとした復興の現場でも有効な知見となりうると考えています。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K12306
ID情報
  • 課題番号 : 19K12306
  • 体系的課題番号 : JP19K12306

この研究課題の成果一覧

メディア報道

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