Misc.

Aug, 2019

高齢透析患者に対する栄養補助療法

日本透析医会雑誌
  • 蒲澤 秀門
  • ,
  • 細島 康宏
  • ,
  • 成田 一衛

Volume
34
Number
2
First page
250
Last page
255
Language
Japanese
Publishing type
Publisher
(公社)日本透析医会

我が国では急速に高齢化が進展しており、加齢に伴い腎機能は低下するため、今後しばらくは、透析導入患者数は減少しないことが予想されている。超高齢社会における透析患者の高齢化も必発であり、その対策が急務である。高齢透析患者では、高齢者特有の生理機能の変化や併存疾患による嚥下機能の低下だけでなく、食欲低下からのエネルギー不足や腎不全特有の様々な要因が加わることで、protein energy wasting(PEW)と呼ばれるたんぱく質やエネルギーの貯蔵が減少している状態を招く。したがって高齢透析患者では栄養状態を適格に評価し、適切なタイミングで栄養介入することが必要である。経口栄養補助(oral nutrition supplement;ONS)は栄養状態の改善に寄与することが期待されているが、ONSでその改善が得られなかった症例や経口摂取が上手くいかない症例にとっては、透析中の静脈栄養(intradialytic parenteral nutrition;IDPN)は合理的な治療選択肢である。多くの問題点はあるが、今後、透析施設での透析中の食事提供、食事摂取についても再検討が必要である。(著者抄録)

ID information
  • ISSN : 0914-7136
  • Ichushi Web ID : 2019394509

Export
BibTeX RIS