細井 浩一

専門は文化資源経営学。日本の文化資源、特に表現文化資源（浮世絵からゲームまで）を対象として、その包括的な保存から社会的活用までを一つの社会的プロセスとして捉え、それを実現する制度、組織、人材、社会ネットワークなどを「マネージ（manage）」するための諸学を実践的かつ総合的に研究しています。この研究は、主に立命館大学アート・リサーチセンター（ARC）を拠点として進めてきました。

最も長く取り組んできた研究としてメタバースの揺籃でもあるデジタルゲームの長期保存に取り組む「ゲームアーカイブ・プロジェクト」があります。これは産学公連携によるゲームの社会的な保存活動として1998年から継続しており、現在は文化庁のメディア芸術アーカイブ事業としても位置づけられています。この研究は、主に立命館大学ゲーム研究センター（RCGS）を拠点として進めてきました。

現在は、ZEN大学に設置されたコンテンツ産業史アーカイブ研究センター（HARC）に所属し、所長を務めています。このセンターは、現代的で総合的な文化創造産業として国内外で大きな存在感を持つようになっているコンテンツ分野（マンガ、アニメーション、ゲーム、IT、ネット文化）を対象とし、その歴史を形作ってきたヒトやモノやコトに関わる一次資料を広く深く収集、保存するアーカイブを構築、公開していくことを使命としています。

著書に『ファミコンとその時代〜テレビゲームの誕生』NTT出版、論文に「アーカイブの設え」『アート・リサーチ』立命館大学など。