共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

拍動する脊柱管をモデルとするMRIフローファントムによる動態イメージング

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K12636
体系的課題番号
JP20K12636
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本年度は頭蓋内圧の変動によって駆動されるヒトのCSF流動の特徴を模擬し,外部から圧迫等を与えて疾患状態の内部流動や交通性の悪化が周辺部に与える影響をシミュレートできる二重円管構造の流動ファントムの加圧システムを試作し,MRIにより撮像された画像群と流れの物理量とを紐付けした機械学習の可能性を調べた.試作ファントムシステムにおける加圧部はMRIガントリー内に収めることができる構造とし,1Lサイズの樹脂容器を二つの空圧ベローズアクチュエーターにより周期的に加圧する.加圧周期は心拍と呼吸を想定した1秒周期と4秒周期とした.試作したファントムシステム内を水で満たし,フルオレセイン溶液を注入して水塊の動きを観察したところ,ヒトのCSFの動きのように上流部では数センチメートルの往復運動が生じ,末端部では殆ど動かない様子が観察された.このファントム内の水塊移動の様子を2D-Time-SLIP法によるMRIを用いて時間分解撮像を行ったところ,往復移動する水塊の様子を観察することができた.しかしながら往復する水塊の画像解像度の低さから機械学習を行うための特徴量抽出は困難であると予想された.そこで,ヒトの脊柱管サイズよりも大きな内径26㎜のアクリル円管に16㎜径の内管を挿入した簡易ファントムを移動する水塊画像を用いた.推論モデルには4層のディープラーニングを用い,水塊の移動方向の判別や水路上の変形の有無といった二値分類を行った.128×256pixの8ビット画像268枚の水塊画像を用いて学習を行ったところ,移動方向及び流路上の変形の有無を十分に推論できることがわかった.今後水塊画像から圧迫の程度などを紐付けした多値分類に取り組む予定である.ここまでの成果を国内学会にて報告した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K12636
ID情報
  • 課題番号 : 20K12636
  • 体系的課題番号 : JP20K12636

この研究課題の成果一覧

MISC

  3

講演・口頭発表等

  2