Profile Information

Affiliation
Faculty of Medicine, Shimane University
Degree
博士(生命科学)(京都大学)

Researcher number
40548418
ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0001-9591-1875
J-GLOBAL ID
201801001537653030
researchmap Member ID
B000294087

遺伝情報の変更を伴わない細胞の振舞いの変化、あるいはその説明を試みる学問領域をエピジェネティクス(epigenetics)と言います。エピジェネティクスという用語には、遺伝学を指す「genetics」に、「upon」や「over」などを意味する接頭辞「epi」が添えられています。環境ストレスへの適応や、分化の積み重ねによる個体の形成はエピジェネティックな事象であり、それらはクロマチンのレベルで解明されつつあります。
私はこれまで主に、分裂酵母をモデル生物として、ヘテロクロマチンという不活性なクロマチンが構築される仕組みの研究に携わってきました。独自の経験に培われた高度な判断力を必要とする順遺伝学的スクリーニングによる新規因子同定を得意とします。かつてヘテロクロマチンは、ただ漠然と転写を抑制する不活性なクロマチンと信じられていました。しかし我々の研究によって、転写装置そのものであるRNAポリメラーゼII(Pol2)がヘテロクロマチンの構築に必要であることが判明し、多くのPol2関連因子の関与が明らかとなってきました。同様の仕組みはどうやら種を越えて保存されているらしく、分裂酵母をモデルとした順遺伝学的アプローチの先駆性が評価されています。
次世代シーケンシング技術の台頭により、研究対象因子の役割をゲノムワイドに俯瞰することが当たり前の時代になりました。我々もバイオインフォマティクス的手法を積極的に取り入れています。独自の視点からの研究には独自ソフトウェアの開発が欠かせないことから、必要に応じてソフトウェア開発にも取り組んでいます。最近、ヌクレオソーム配置予測のためのR/Bioconductorパッケージをリリースしました(Works欄参照)。バイオインフォマティクスは対象生物の幅を広げやすいので、このパッケージも3種の生物(出芽酵母、分裂酵母、マウス)に対応しています。こうした取り組みを通してエピジェネティクス研究に貢献できれば嬉しく思います。

Education

  4

Papers

  26

Misc.

  14

Books and Other Publications

  1

Presentations

  5

Works

  2

Research Projects

  13

Industrial Property Rights

  1