2014年4月 - 2022年3月
冷戦時代の台湾海峡危機の再検証~マルチ・アーカイブ研究による外交史的分析~
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究では、冷戦時代の台湾海峡危機をめぐる米国、中国、台湾の3者の関係の展開に焦点を当ててきた。そのことを通じて、その後の米中関係の展開並びに国際秩序の形成に与えた影響について分析することを主たる目的としてきた。特に、米国や台湾、中国などで公開された外交文書に基づき、アジアの視点に立って台湾海峡危機をめぐる米中関係、米台関係の展開及び国際秩序の変容について再検証してきた。
研究を進めるにあたって、主に五つの視点、① 東アジアの冷戦において、台湾海峡危機がいかに位置づけられるのか、② 米ソ冷戦の対立構造に組み込まれていった蒋介石が、冷戦における国共内戦や、そのなかで発生した台湾海峡危機をいかに捉えていたのか、について焦点を当てた。また、1950年代から60年代に至る東アジアの国際関係の推移のなかで、③ なぜ台湾海峡危機が「熱戦化」することがなかったのか、についても分析した。さらに、「大陸反攻」をめぐる米台間の立場の違いを明らかにした上で、④ 1950年の蒋介石の「大陸反攻」をめぐる姿勢の変遷、⑤ 台湾海峡危機を経て、中国と台湾の対立の構造がいかに変化したのか、などの視点から分析を試みてきた。
本年度は、これまでの取り纏め作業を開始した。特に、米国のナショナル・アーカイブや、スタンフォード大学のフーバー研究所、台湾の国史館、中央研究院近代史研究所トウ案館、国民党党史館、中国の外交部トウ案館、華東師範大学東大文献史料中心などで、収集してきた資料を改めて整理し、比較の視点に立って読み込み作業を行なってきた。また、これまで現地調査を通じて収集してきた資料を用いて、その研究成果を学術誌紙などに投稿した。その成果の一部として、研究論文の掲載が決定した(査読あり)。今後は本研究の取り纏めの最終段階に入るため、研究成果の全体像を見渡しつつ、統合作業を進め、書籍として出版化する本格的な準備に入りたい。
研究を進めるにあたって、主に五つの視点、① 東アジアの冷戦において、台湾海峡危機がいかに位置づけられるのか、② 米ソ冷戦の対立構造に組み込まれていった蒋介石が、冷戦における国共内戦や、そのなかで発生した台湾海峡危機をいかに捉えていたのか、について焦点を当てた。また、1950年代から60年代に至る東アジアの国際関係の推移のなかで、③ なぜ台湾海峡危機が「熱戦化」することがなかったのか、についても分析した。さらに、「大陸反攻」をめぐる米台間の立場の違いを明らかにした上で、④ 1950年の蒋介石の「大陸反攻」をめぐる姿勢の変遷、⑤ 台湾海峡危機を経て、中国と台湾の対立の構造がいかに変化したのか、などの視点から分析を試みてきた。
本年度は、これまでの取り纏め作業を開始した。特に、米国のナショナル・アーカイブや、スタンフォード大学のフーバー研究所、台湾の国史館、中央研究院近代史研究所トウ案館、国民党党史館、中国の外交部トウ案館、華東師範大学東大文献史料中心などで、収集してきた資料を改めて整理し、比較の視点に立って読み込み作業を行なってきた。また、これまで現地調査を通じて収集してきた資料を用いて、その研究成果を学術誌紙などに投稿した。その成果の一部として、研究論文の掲載が決定した(査読あり)。今後は本研究の取り纏めの最終段階に入るため、研究成果の全体像を見渡しつつ、統合作業を進め、書籍として出版化する本格的な準備に入りたい。
- ID情報
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- 課題番号 : 26380228
- 体系的課題番号 : JP26380228
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
『愛知大学国際問題研究所紀要』 (155) 159-197 2020年 査読有り