共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2025年3月

英EU離脱の歴史的起源:英・バーゼル委員会文書から検証する「銀行監督の溝」の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)  基盤研究(C) 一般

課題番号
21K01612
体系的番号
JP21K01612
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,900,000円
(直接経費)
3,000,000円
(間接経費)
900,000円

本研究は、英国のEU離脱の起源を「銀行監督の溝」に着目して、アーカイブの分析を通して解明するものである。アーカイブは主に英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)と、スイス(バーゼル)の国際機関である国際決済銀行(BIS)の現地資料であるバーゼル銀行監督委員会(BCBS)文書を主として利用する。
2021年度は7点の研究実績を挙げることが出来た。第1に、国内学会の全国大会での報告(審査有)である。日本金融学会春季大会にて金融史セッションで得られた知見は誠に有意義であった。BCBSとBOEの銀行監督政策とが接合する面を、BISにて収集したBCBS文書と、BOEにて収集した歴史文書を解析した報告を行った。これに対し、より焦点を絞った分析を行う必要性を学んだ。第2に、国際学会(豪州オンライン)での報告(審査有)を通して、海外の欧州研究者を中心に、銀行監督を軸心として議論を重ねることができた。第3に、金沢大学附属図書館の企画によって、コロナ禍のEUの情勢を講演する機会を得たことである。これはEUの歴史を振り返り、また英国のEU離脱を再考察する上で有意義であった。第4に、本研究の主たるフィールドである「銀行監督」の必要性と意義を問い直したことである。銀行監督論総論と題して1本の日本語論文を執筆した。第5に、欧州の域内市場の活性化の鍵を握る資本市場同盟(CMU)の意義を論文発表で明らかにしたこと、第6に欧州復興基金(RRF)とグリーンディール政策に関する分析を行い論文発表したこと、第7にグローバル金融監督を担う金融安定理事会(FSB)の活路を検討し、論文に取りまとめたことである。
以上のように、国内学会・海外学会に提出した2本の論文に加えて、4本の論文を執筆し発表することを通して、英国とEUの関係を歴史研究から現状分析へ繋げ、逆に現在の視点から銀行監督史を捉える研究を実施した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K01612
ID情報
  • 課題番号 : 21K01612
  • 体系的番号 : JP21K01612

この研究課題の成果一覧

論文

  10

書籍等出版物

  3

講演・口頭発表等

  17

学術貢献活動

  23