共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年10月 - 2023年3月

初期地球時代のプレート沈み込み帯でのマントルー地殻相互作用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

課題番号
19KK0092
体系的課題番号
JP19KK0092
配分額
(総額)
18,330,000円
(直接経費)
14,100,000円
(間接経費)
4,230,000円

太陽系の惑星の中で現在の地球だけが持つ固有の特徴として,プレートテクトニクス・大陸・海の存在がある.この特徴が地球史のいつから存在し,現在とどう違い,なぜ違うのかは地球科学未解明問題である.これまでに申請者らは,西グリーンランド南部地域に産する地球史上最古級(30-38億年前)の超苦鉄質岩(上部マントル物質)とその周囲の変成岩・花崗岩(地殻物質)から,プレートテクトニクス稼働を示唆する沈み込み帯深部環境の記録,および超苦鉄質岩と周囲の地殻物質との物質化学的相互作用の記録の解読を行っている.本年度の実績の概要は以下の通りである
(1)太古代の温度圧力履歴の推定:カンラン岩体中の特殊な鉱物組み合わせを見出し,蛇紋岩安定相からエクロジャイト相に達する変成条件を記録している岩体があることを明らかにした.また,蛇紋岩化および炭酸塩岩化の影響を強く受けていることを明らかにした.
(2)太古代超苦鉄質岩類が受けた交代作用について詳細に報告を行った.その結果,複数の異なる起源の交代作用の影響を受けていること,交代作用を受けていない超苦鉄質岩石部には変成作用を受けている痕跡が見られることなどを明らかにした.
(2)カンラン岩体は周囲の変成岩・花崗岩からの物質供給を強く受けていることを明らかにした.特に,カンラン岩体中にジルコンが含まれていることを明らかにし,カナダ・アルバータ大学との共同研究でこれらのジルコンの酸素同位体比,U-Pb比,Hf同位体比を測定し,それらの起源について検討した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19KK0092
ID情報
  • 課題番号 : 19KK0092
  • 体系的課題番号 : JP19KK0092