共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

新規ビシクロ骨格構築法を基盤とした生物活性アルカロイドの合成と構造活性相関研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K06548
体系的課題番号
JP18K06548
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本年度は、1. ケイ素テザーを活用したベンザインとシクロヘキサジエンとの[4+2]付加環化反応、ならびに2. 橋頭位カチオンを鍵とするベンゾビシクロ[3.2.2]ノナジエン骨格構築法の開発、2点について検討した。
1. まず、ベンザイン前駆体から発生させたベンザインとジエンとの分子間[4+2]付加環化反応を試みたところ、期待に反し、目的とする付加環化体は全く得られなかった。種々検討した結果、この問題は、分子内反応にすることによって解決できることが分かった。すなわち、まず、2,6-ジブロモフェノールから3段階の工程を経てベンザイン発生部位を有するシリルクロリドを合成した。このものとジエニルアルコールとを反応させ、付加環化前駆体を合成した。このものに対してマグネシウムアート錯体を作用させたところ、系中で発生したベンザインとジエン部位との間で分子内[4+2]付加環化反応が進行し、対応する環化付加体が高収率で得られた。この手法は、他の親ベンザイン体に対しても有効であり、フラン、ピロール、鎖状ジエン、アントラセン、ナフタレンなど、幅広い基質に適用できることが分かった。
2.得られた付加環化体を用いてベンゾビシクロ[3.2.2]ノナジエン骨格の構築を試みた。すなわち、まず、2段階の工程により対応するトリフラートを得た後、このものに対してヨウ化マグネシウムを作用させたところ、アルキル基選択的な転位反応が進行するとともに、橋頭位がヨウ素化され、対応するヨージドが収率良く得られた。このとき、ビニル、およびアリール転位体は全く生成しなかった。この反応は、環拡大反応に伴う橋頭位のヨウ素化に成功した初めての例である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K06548
ID情報
  • 課題番号 : 18K06548
  • 体系的課題番号 : JP18K06548