

河本 洋一
基本情報
- 所属
- 札幌国際大学 観光学部 教授
- 連絡先
- y-kawamoto
ts.siu.ac.jp
- 研究者番号
- 50389649
- J-GLOBAL ID
- 202101014515233460
- researchmap会員ID
- R000028799
- 外部リンク
◇日本語歌唱の指導法の研究がヒューマンビートボックス・ボイパ研究の原点
まだ30代になったばかりの頃、私は日本語に訳されたオペラの指揮を振る機会に恵まれました。稽古は順調に進んでいました。ところが、ある人から「歌の言葉がよく聞き取れない。」というお叱りを受けます。日本語で上演するのに日本語の字幕を出した方がよいとも言われました。そのときの私は不勉強で、母音を形成する基本的な響きは舌の位置が重要であることや、女声はある程度以上の高音域になると母音の明瞭性が失われるなど、基本的なことさえ知りませんでした。言えたのは「子音を立てて」ということくらいです。そんな指導では周囲から認められるわけがありません。とても悔しくて恥ずかしい思いをしたことを思い出します。
私自身、日本語の発音の仕組みや日本語に適した歌い方を習ったという記憶がありません。そこで、私は日本語で歌うこと(以下、「日本語歌唱」)の指導に関する先行研究の検索を始めました。日本語歌唱の指導の先行研究の検索を通してわかったこと、それは、五つあるとされる日本語の母音の概念の捉え方が研究者によって実に様々で、日本語歌唱の指導法を語るためには、まず母音に対する感覚の違いを踏まえなければならないということです。そして、同じ母音であっても様々なニュアンスがあることを効果的に伝える方法として、オノマトペを活用することを考えるようになりました。オノマトペを日本語歌唱に活用するメリットについては、『オノマトペを用いた歌唱指導の意義に関する一考察』で述べていますのでここでは割愛しますが、「日本語歌唱の指導→指導ツールとしてのオノマトペの活用→表現素材としてのオノマトペ」という流れ、つまり指導ツールから表現素材へと関心が移っていったことが、ヒューマンビートボックスへの関心へと繋がっていきます。
オノマトペは、言語音による音や状態の模倣です。一方、音や状態をそのまま描写することを私は「直接的模倣音」と呼び、音響データを採取し、実際の音と比較する研究をおこないました。この時に直接的模倣音を使った例として、マイケル・ウインスローや立川真司を取り上げ、そして初めてヒューマンビートボックスの演奏と出会います。2009年頃のことです。
初めはヒューマンビートボックスのことを、私は単なる直接的模倣音としか捉えていませんでしたが、YouTubeなどの動画を検索していくうちに、次第にこれは音楽表現のジャンルの一つになりつつあると確信するようになりました。そして、ビートボクサーに直接録音したり聞き取り調査をしたりすることへの協力を要請するに至ります。その成果は、2012年に『ヒューマンビートボックスの技法に関する一考察〜ビートボクサーへの聞き取り調査とワークショップを通して〜 』という論文にまとめることができました。
その後、『音楽表現の新たな素材としてのヒューマンビートボックスに関する基礎研究』というテーマで科研費基盤(C)26370193に採択され、今日に至ります。「ヒューマンビートボックス」というキーワードが入った科研費の採択テーマとしてはこれが初となり、やっと第三者から研究テーマの一つとして認めて頂けたことをとても嬉しく思います。
科研費・基盤研究(C:19K02799)の助成を受け、『学校教育におけるヒューマンビートボックスの指導でのオノマトペの活用法の研究』というテーマで研究中です。(コロナ禍による研究遅延のため、研究期間の1年延長) 2023年度からは、『ヒューマンビートボックスとカリグラフィーの融合による芸術表現の可能性の実証的研究』(科研費・基盤研究C:23K02488)により研究を継続します。
また、ヒューマンビートボックスの文化史に関する書籍を執筆中です。(2023年9月頃発刊予定)さらに、ヒューマンビートボックスの初心者でも使えるビートボックストレーニングカード(ビートレカードⓇ申請中)を発売準備中です。
主要な研究キーワード
6主要な研究分野
4主要な経歴
8主要な学歴
2主要な委員歴
3受賞
4-
2019年4月
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1994年12月
論文
8-
音楽表現学 Vol.19 33-40 2021年11月 査読有り筆頭著者最終著者責任著者
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音楽表現学 17 33-52 2019年 査読有り筆頭著者最終著者責任著者
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札幌国際大学紀要 = Journal of Sapporo International University (49) 53-65 2018年3月 筆頭著者最終著者責任著者
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札幌国際大学紀要 (43) 155-165 2012年 筆頭著者最終著者責任著者
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札幌国際大学紀要 (42) 25-35 2011年 筆頭著者最終著者責任著者
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音楽表現学 7 19-28 2009年 査読有り筆頭著者最終著者責任著者
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音楽表現学 5 77-86 2007年 査読有り筆頭著者最終著者責任著者
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2000年3月 筆頭著者最終著者責任著者
MISC
16-
音楽表現学 19 33-40 2021年11月30日
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音楽表現学 = Bulletin of the Japan Music Expression Society / 日本音楽表現学会 編 19 33-40 2021年 査読有り
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札幌国際大学 地域・産学連携センター年報 第 4 号 (4) 91-134 2020年4月 筆頭著者責任著者
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音楽表現学 17 33-52 2019年 査読有り
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札幌国際大学紀要 = Journal of Sapporo International University (49) 53-65 2018年3月
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札幌国際大学 教師・教育実践研究 (第1号) 2017年3月 筆頭著者最終著者責任著者
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2016年3月 筆頭著者最終著者責任著者
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札幌国際大学紀要 = Journal of Sapporo International University (43) 155-165 2012年
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札幌国際大学紀要 第43号 155-165 2012年
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札幌国際大学紀要 = Journal of Sapporo International University (42) 25-35 2011年
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音楽表現学 = Bulletin of the Japan Music Expression Society / 日本音楽表現学会 編 7 19-28 2009年 査読有り
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音楽表現学 voL.7 19-28 2009年 査読有り
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音楽表現学 vol.7 2009年
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音楽表現学 = Bulletin of the Japan Music Expression Society / 日本音楽表現学会 編 5 77-86 2007年 査読有り
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音楽表現学 第5巻 77-86 2007年 査読有り
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音楽表現学 Vol.4 166 2006年
講演・口頭発表等
14-
日本音楽表現学会第19回大会誌上発表 2021年
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日本音楽表現学会第18回大会誌上発表 2020年
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日本音楽表現学会第17回大会
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日本音楽表現学会第14回大会
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日本音楽表現学会第11回大会 2013年6月9日
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日本音楽表現学会第10回大会 2012年6月24日
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日本音楽表現学会第9回大会 2011年6月12日
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日本音楽表現学会第8回大会 2009年6月14日
担当経験のある科目(授業)
12-
2022年4月 - 現在
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2022年4月 - 現在
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2022年4月 - 現在
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2022年4月 - 現在
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2022年4月 - 現在
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2022年4月 - 現在
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2022年4月 - 現在
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2004年4月 - 2022年8月
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2004年4月 - 2022年3月
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2004年4月 - 2022年3月
共同研究・競争的資金等の研究課題
5-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2023年4月 - 2027年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2019年4月 - 2022年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2014年4月 - 2018年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2009年 - 2011年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2006年 - 2008年
メディア報道
2-
TBS 新・情報7daysニュースキャスター|TBSテレビ Grand BeatBox 日本人上位入賞 Grand BeatBox 世界大会の上位3位までのうち、1位と3位を日本人が独占 基礎資料提供、歴史的背景の裏取り 2021年10月31日 テレビ・ラジオ番組
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NHK 教育テレビ すイエんサー 2018年11月 テレビ・ラジオ番組
社会貢献活動
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