1996年 - 1998年
琵琶湖淀川水系における魚類群集の構造と左右性の動態
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(A)) 基盤研究(A)
本研究では,最近発見された魚類の左右性に焦点を当て,それが種内・種間関係においてどのように働いているかを精査し,またそれによって群集内での種間関係の動態を新しい観点から解明した.すなわち,琵琶湖水系に生息する魚類について,野外でのサンプリングによる各魚種の左右性の比率の観測,形態学的な検討,実験室での飼育による遺伝様式の解明,数理モデルによる左右性の動態のメカニズムの解明と予測を行った.
琵琶湖産の魚類7種について左右性の比率を4年間追跡したところ,どの種の比率も数年周期の振動を示唆していた.また,1995年のサンプルで,年級群に分けることができるほど大量に採取された魚種について,年級群ごとの左右性の比率を算出したところ,その比率も数年周期で振動していることを強く示唆していた.また,食性の近い種の比率は同調する傾向が認められた.さらに,捕食-被食関係にある代表的な2種,アユとハスについての比率を詳しく検討したところ,やはり数年の周期で振動していた.ただしこの2種の振動の関係を詳しく検討するには,さらに何年かの継続観察が必要である.京都大学生態学研究センタ-に保存されているイサザのサンプル15年間分を検討したところ,本種の左右性も数年周期で,比率0.4から0.6の間を振動していることが確認された.
左右性の遺伝様式についてカワヨシノボリを実験室で繁殖させ,その親子での比率を検討...
琵琶湖産の魚類7種について左右性の比率を4年間追跡したところ,どの種の比率も数年周期の振動を示唆していた.また,1995年のサンプルで,年級群に分けることができるほど大量に採取された魚種について,年級群ごとの左右性の比率を算出したところ,その比率も数年周期で振動していることを強く示唆していた.また,食性の近い種の比率は同調する傾向が認められた.さらに,捕食-被食関係にある代表的な2種,アユとハスについての比率を詳しく検討したところ,やはり数年の周期で振動していた.ただしこの2種の振動の関係を詳しく検討するには,さらに何年かの継続観察が必要である.京都大学生態学研究センタ-に保存されているイサザのサンプル15年間分を検討したところ,本種の左右性も数年周期で,比率0.4から0.6の間を振動していることが確認された.
左右性の遺伝様式についてカワヨシノボリを実験室で繁殖させ,その親子での比率を検討...
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- ID情報
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- 課題番号 : 08304041
- 体系的課題番号 : JP08304041