2011年12月
退院支援過程における退院調整看護師とソーシャルワーカーの判断プロセスの特徴
千葉看護学会会誌
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- 巻
- 17
- 号
- 2
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 9
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 千葉看護学会
本研究の目的は,退院調整看護師とソーシャルワーカーが行う退院支援過程,及びそこで行われている判断プロセスの内容について,両職種の共通点とそれぞれの特徴を明らかにし,職種間協働のありかたを検討することである。研究方法は次の2段階から構成される。研究Ⅰ;文献検討及び退院支援に熟練した看護師の実践分析による概念枠組みの開発。研究Ⅱ;退院調整看護師とソーシャルワーカーそれぞれ5人に対し,最初は困難と感じたがうまくいった事例について面接調査を行う。分析は個別分析後,全体を統合した。結果,退院支援過程は,相談開始,初期のアセスメント,退院支援計画立案,退院支援計画の実現可能性のアセスメント,院内調整,院外調整,調整内容点検のためのアセスメント,退院準備カンファレンス,退院支援の評価の9段階に整理された。判断プロセスは,①情報収集,②判断・意図,③行動の3つを繰り返し行う構造であった。判断プロセスの内容は,【本人の状態と本人・家族の意向を早期に把握する】【本人・家族の意向と療養の方向性のズレに気付く】を含む全14が両職種共通の内容として抽出された。また情報収集の方法などそれぞれの職種の特徴的な内容が明らかになった。退院調整看護師とソーシャルワーカーは専門性や教育背景が異なるが,退院支援における判断プロセスの内容の多くが共通であることを認識しつつ,相互理解し協働することで,より質の高い退院支援が展開できることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1344-8846
- 医中誌Web ID : 2012174289
- CiNii Articles ID : 120005939377
- identifiers.cinii_nr_id : 9000006079072