共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

ハイブリッド力学系としての二足歩行の吸引領域の形成メカニズムに注目した解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)
  • 大林 一平

課題番号
16K17638
配分額
(総額)
3,640,000円
(直接経費)
2,800,000円
(間接経費)
840,000円

去年度の「今後の研究」の所に書いた通り、この年度は位相的データ解析の研究のほうに力を入れて研究した。
パーシステントホモロジーと機械学習の組み合わせに関する論文がこの5月に出版された。パーシステントホモロジーはデータの形を定量的に抽出することができ、機械学習はデータに隠されたパターンを発見(学習)することができる。この2つの組み合わせによってデータの特徴的な幾何的パターンを抽出することが可能となる。さらにこれに逆解析という手法を組み合わせることでその特徴的パターンの起源を具体的なかたちとして取り出すこともできる強力な手法である。材料科学データへの応用例や他の画像解析手法との比較なども含まれ、実践的な応用がしやすい結果であると言える。
また、10月にはパーシステントホモロジーの逆問題に関する論文も出版された。この問題では上に挙げた逆解析の新しい手法を提案する論文である。パーシステント図は2次元平面上のヒストグラムとして表現されるが、ヒストグラム上の各点はデータのホモロジー的構造(穴や空洞など)と対応している。この構造を抽出できれば(上の機械学習によるデータ解析のような)データ解析で有用であるが、それは数学的に容易な問題ではない。既存の手法として「ホモロジー最適化」と呼ばれる手法が用いられており、本論文ではそれをパーシステントホモロジーに適する形で利用した新しい手法を開発した。線形計画法で効率的に計算するアルゴリズムも提案し、それを利用可能なソフトウェア実装やそれによる計算例もこの論文で紹介している。