2021年4月 - 2024年3月
『日本書紀』古訓との比較による『源氏物語』複合動詞の造語法と表現性の実証的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
本研究は、『源氏物語』において特有の複合動詞が生み出された背景に上代文献とその訓読の存在があるのではないかと考え、両者の関係を明らかにするとともに、『源氏物語』における複合動詞の表現性を考えようとするものである。
初年度となる令和3年度の課題は、(1)『源氏物語』の複合動詞の用例採取を行い、使用実態を明らかにすること、(2)『日本書紀』をはじめとする上代文献の動詞性複音節語(主に動詞性の二字漢語)について、用例採取及び考察を行うこと、(3)研究代表者、研究分担者、研究協力者による研究会を実施し、問題意識の共有をはかることの3点であった。
(1)については、研究代表者を中心に研究協力者や上智大学大学院文学研究科の学生の協力のもと、『源氏物語』における複合動詞のほぼ全用例を採取し、加えて、『源氏物語』以前に例が見られないと思われる語の抽出を行った。(2)については、研究分担者を中心に、『日本書紀』及び『古事記』、『風土記』において用例採取を行い、動詞性複音節語の分類、六朝口語との関係などについて考察を行った。加えて、『遊仙窟』における二字漢語の和訓についての調査も行った。(3)については、研究代表者・分担者・協力者と上智大学大学院の学生をメンバーに加えた研究会を、約2か月に一度、計5回行った。コロナ禍のためオンライン開催ではあったが、研究代表者・分担者・協力者がそれぞれの研究の進捗状況を発表するとともに、議論を通して相互の理解を深めた。
また、関連する研究として、①『源氏物語』における非生物を動作主体とする複合動詞「―あふ」の表現性を考察した論考、②『日本書紀』の欽明紀の文字表現に着目し編述の過程を考察した論考、③『風土記』の山川原野の記述方法から描写意識を考察した論考を発表した。
初年度となる令和3年度の課題は、(1)『源氏物語』の複合動詞の用例採取を行い、使用実態を明らかにすること、(2)『日本書紀』をはじめとする上代文献の動詞性複音節語(主に動詞性の二字漢語)について、用例採取及び考察を行うこと、(3)研究代表者、研究分担者、研究協力者による研究会を実施し、問題意識の共有をはかることの3点であった。
(1)については、研究代表者を中心に研究協力者や上智大学大学院文学研究科の学生の協力のもと、『源氏物語』における複合動詞のほぼ全用例を採取し、加えて、『源氏物語』以前に例が見られないと思われる語の抽出を行った。(2)については、研究分担者を中心に、『日本書紀』及び『古事記』、『風土記』において用例採取を行い、動詞性複音節語の分類、六朝口語との関係などについて考察を行った。加えて、『遊仙窟』における二字漢語の和訓についての調査も行った。(3)については、研究代表者・分担者・協力者と上智大学大学院の学生をメンバーに加えた研究会を、約2か月に一度、計5回行った。コロナ禍のためオンライン開催ではあったが、研究代表者・分担者・協力者がそれぞれの研究の進捗状況を発表するとともに、議論を通して相互の理解を深めた。
また、関連する研究として、①『源氏物語』における非生物を動作主体とする複合動詞「―あふ」の表現性を考察した論考、②『日本書紀』の欽明紀の文字表現に着目し編述の過程を考察した論考、③『風土記』の山川原野の記述方法から描写意識を考察した論考を発表した。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K00268
- 体系的課題番号 : JP21K00268
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
2-
上代文学 (130) pp.16-29 2023年4月30日 招待有り
-
日本文学研究ジャーナル (24) pp.37-48 2022年12月30日 招待有り
MISC
1-
上智大学国文学科紀要 (40) 232-172 2023年3月3日 筆頭著者
書籍等出版物
1-
塙書房 2024年2月 (ISBN: 9784827305432)
講演・口頭発表等
1-
上代文学会 秋季大会シンポジウム 2022年11月26日 招待有り