2017年4月 - 2020年3月
南極ドームふじ氷床コアを用いた気候変遷期の二酸化炭素濃度と全球平均海水温の復元
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
本研究は、過去の全球平均海水温の指標であると考えられている希ガス(Ar, Kr, Xe)の存在比と同位体比および二酸化炭素濃度を、南極ドームふじ氷床コアを用いて分析することで、気候が大きく変遷した期間における全球平均海水温とCO2濃度の変動を同時に復元し、両者の変化の相関関係や時間関係を明らかにすることを目的としている。
平成30年度は、CO2濃度分析のための新規切削抽出装置の開発、希ガス分析の手法開発、南極沿岸部(H128)およびグリーンランド氷床北東部(EGRIP)で採取されたフィルン空気(氷床上部の通気層にある空気)の分析を行った。CO2濃度分析に関しては、これまで開発を進めてきた氷切削機構(高速回転刃により微細に粉砕する機構)と異なる原理(直径3mm程度のステンレス製円柱を剣山のように100本程度立て、その先端を氷試料に衝突させて粉砕し気体を抽出する)で氷を粉砕する装置を新規に開発した。空気抽出ラインのバルブや継手、冷却機、真空排気装置、圧力計などの調達も行い、装置の製作を開始した。希ガス分析に関しては、平成29年度に製作した希ガスの抽出装置を用い、同じく平成29年度に確立した空気試料からの希ガス抽出・測定手法にて、フィルンにおける希ガスの分別プロセスを明らかにするためにH128地点とEGRIPで採取されたフィルン空気の分析をした(H128:全27試料、58データ、EGRIP:全28試料、67データ)。フィルン空気の希ガス分析結果を唯一出版している他の研究機関の精度に匹敵する測定精度を達成した。氷コアからの希ガス抽出に関しては、試料空気に使用する水トラップを大容量化しつつ2段式にし、細管を入れるなどの改良を行った。
平成30年度は、CO2濃度分析のための新規切削抽出装置の開発、希ガス分析の手法開発、南極沿岸部(H128)およびグリーンランド氷床北東部(EGRIP)で採取されたフィルン空気(氷床上部の通気層にある空気)の分析を行った。CO2濃度分析に関しては、これまで開発を進めてきた氷切削機構(高速回転刃により微細に粉砕する機構)と異なる原理(直径3mm程度のステンレス製円柱を剣山のように100本程度立て、その先端を氷試料に衝突させて粉砕し気体を抽出する)で氷を粉砕する装置を新規に開発した。空気抽出ラインのバルブや継手、冷却機、真空排気装置、圧力計などの調達も行い、装置の製作を開始した。希ガス分析に関しては、平成29年度に製作した希ガスの抽出装置を用い、同じく平成29年度に確立した空気試料からの希ガス抽出・測定手法にて、フィルンにおける希ガスの分別プロセスを明らかにするためにH128地点とEGRIPで採取されたフィルン空気の分析をした(H128:全27試料、58データ、EGRIP:全28試料、67データ)。フィルン空気の希ガス分析結果を唯一出版している他の研究機関の精度に匹敵する測定精度を達成した。氷コアからの希ガス抽出に関しては、試料空気に使用する水トラップを大容量化しつつ2段式にし、細管を入れるなどの改良を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 17J00769
- 体系的課題番号 : JP17J00769
この研究課題の成果一覧
絞り込み
受賞
1-
2020年4月
講演・口頭発表等
5-
AGU Fall Meeting 2019 2019年12月 招待有り
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AGU Fall Meeting 2019 2019年12月
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AGU Fall Meeting 2019 2019年12月