共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年9月 - 2022年3月

HMGB1が歯周病に及ぼす免疫学的影響の解明とその制御による新規歯周病治療の検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援  研究活動スタート支援

課題番号
20K23054
体系的課題番号
JP20K23054
配分額
(総額)
2,860,000円
(直接経費)
2,200,000円
(間接経費)
660,000円

研究の序盤として、当該年度はIn vitroにてHMGB1が免疫細胞の分化に及ぼす影響を検討した。その結果、HMGB1がIn vitroにおいて単球からM1マクロファージへの分化を促進することが明らかとなった。さらに、HMGB1リコンビナントタンパクで刺激した培養細胞(単球)群の上清では、IL-6が多量に分泌されていた。以上のことから、In vitroにおいて、HMGB1は単球をM1マクロファージに分化させることによって、炎症を惹起する可能性が示唆された。
これらの結果は、これまでに報告されている論文と同様の傾向を示すものであり、研究の妥当性を明確にする上で非常に重要であると考える。
さらに、研究の第二段階として、In vivoにおいてHMGB1が歯周炎組織における免疫細胞の分布に及ぼす影響の検討を行なった。具体的には、我々が過去に報告した歯周炎モデル(YoshiharaーHirata C, 2018)を用いて、HMGB1が歯周炎の進行を助長する免疫学的なメカニズムを解析した。
現在までに、HMGB1中和抗体を投与した歯周炎モデルマウスでは、歯周炎の進行が抑制され、歯周炎組織内のM1マクロファージの分布割合が増加しているという結果が得られている。
この結果は、序盤に行なったIn vitroの研究結果と同様の傾向であり、歯周組織の局所においてもHMGB1がM1マクロファージの分化を制御している可能性を示唆するものである。
以上の研究成果はいくつかの学術大会において発表を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K23054
ID情報
  • 課題番号 : 20K23054
  • 体系的課題番号 : JP20K23054