論文

2009年10月

構音難度がモーラ抽出に及ぼす影響 : 漢字複合語による吃音者・非吃音者の比較

音声言語医学
  • 今泉 敏
  • ,
  • 本間 孝信
  • ,
  • 古屋 泉
  • ,
  • 岡本 奈緒

50
4
開始ページ
249
終了ページ
255
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.5112/jjlp.50.249
出版者・発行元
日本音声言語医学会

成人吃音者, 非吃音者を対象に漢字複合語に指定されたモーラがあるかどうかを判断する課題を行い, 反応時間と正答率が語の構音の難度や親密度とどのように関連するかを調べた. その結果, 吃の有無にかかわらず構音が難しいと評価された語は, 低親密度語と, 狭母音が核となる拗音節が連続している語で, これらに加えて吃音者にとっては個々人が苦手と感じる高親密度語もあった. また, 親密度が高い語において非吃音者より吃音者が構音を難しいと感じていること, 吃の有無にかかわらず語の構音が難しいとモーラ抽出が遅れ正答率が下がること, その程度は吃音群でかつ語の後半ほど顕著であることが示された. 吃音者個々人にとって構音の難しい語ほどモーラ操作が遅れ不正確になることが吃を起こす要因になる可能性が示唆された.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.5112/jjlp.50.249
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/10025321307
ID情報
  • DOI : 10.5112/jjlp.50.249
  • ISSN : 0030-2813
  • CiNii Articles ID : 10025321307
  • SCOPUS ID : 70350389694

エクスポート
BibTeX RIS