基本情報

所属
県立広島大学 生物資源科学部生命環境学科生命科学コース 教授
学位
博士(医学)(大阪大学)

連絡先
iharapu-hiroshima.ac.jp
J-GLOBAL ID
201301055430898345
researchmap会員ID
B000232593

外部リンク

私は細胞外マトリックス、その中でも特に基底膜の構築原理を明らかにしたいと考えています。基底膜は進化的に保存されたタンパク質群からなるシート状のタンパク質複合体です。基底膜の特性として興味深いのは、発生段階や組織によって基底膜を構成するタンパク質の特異的な局在パターンが観察されることです。基底膜タンパク質の局在パターンは、細胞に空間情報の提示や行動(増殖、分化、死滅)を積極的に制御する情報デバイスとして作用しています。例えば、基底膜の構成タンパク質の一つであるパールカンなどのヘパリン硫酸プロテオグリカンは、様々な成長因子と結合することで、細胞外の成長因子の量と局在を制御しています。さらに基底膜の主要構成タンパク質であるIV型コラーゲンは後世生物になって獲得したことからも、細胞外環境の根本的な構成成分であり、多細胞生物の基本単位が発生するために必須な細胞外タンパク質と考えられています。

研究課題として基底膜を構成するタンパク質を含めた細胞外タンパク質が細胞外に分泌後、どうやってその目的の組織へ運搬されるのか、その局在決定機構の解析を行っています。種々の基底膜タンパク質を生体内で観察したときに、それぞれの基底膜タンパク質は秩序だった局在パターンを示します。その綺麗な局在パターンを産み出す分子機構を知りたいと考えています。その分子機構を解明することができれば、細胞外で小分子やタンパク質から構成される医薬品を目的の組織に速やかにデリバリーできる技術の源泉となるのではないかと期待しています。

また分泌タンパク質の機能化を明らかにするために、分泌タンパク質の凝集、脱凝集に関わる分子機構の解析やタンパク質の機能化や損傷を保護する生物資源の探索も行っています。

実験材料として、分子イメージングが容易で、遺伝学を用いることのできるモデル生物である線虫C. elegansを用いていますが、必要に応じてヒト培養細胞も実験に用いています。


論文

  38

MISC

  31

書籍等出版物

  9

講演・口頭発表等

  65

共同研究・競争的資金等の研究課題

  26

社会貢献活動

  5

その他

  9