講演・口頭発表等

ベントナイト間隙水の酸化還元電位に対するオーバーパック腐食の影響,4; 地球化学計算による炭素鋼腐食試験のシミュレーション

日本原子力学会2008年秋の大会
  • 山口 徹治
  • ,
  • 飯田 芳久
  • ,
  • 田中 忠夫
  • ,
  • 大塚 伊知郎*

開催年月日
2008年9月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
香美
国・地域
日本

処分場における炭素鋼オーバーパックの腐食が緩衝材の間隙水の酸化還元電位に及ぼす影響を評価する手法を開発するため、これまでに整備した熱力学データ及び腐食反応速度式を用いて、圧縮ベントナイト内での炭素綱腐食試験の模擬計算を試みた。炭素鋼,砂混合ベントナイト,焼結フィルタ及び試験溶液からなる1次元体系を仮定し、地球化学計算コードPHREEQCを用いて計算した。炭素鋼の腐食生成物(マグネタイト),試験液のpH(約9),炭酸イオン濃度(3$\times$10$^{-3}$mol dm$^{-3}$),鉄イオン濃度($\sim$1.3$\times$10$^{-7}$mol dm$^{-3}$),ベントナイト中の鉄の価数(+II価)については計算は実験結果をよく再現した。試験液のEhについては乖離が見られたが、乖離幅は試験期間とともに縮小し、90日目には計算結果-340mVに対して、実測値は-249mVであった。この乖離は、初期の試験液中に微量の酸素が溶存していたことが原因であると推定され、試験初期の特異的な現象であると考えられた。今後は実験期間を伸延して計算との整合性を確認するとともに、本研究の評価手法の適用範囲,適用条件を検討する必要がある。

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URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5013751