2004年 - 2006年
魚類の食欲と脳ホルモン
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 16380139
- 体系的課題番号
- JP16380139
- 担当区分
- 連携研究者
- 配分額
-
- (総額)
- 15,700,000円
- (直接経費)
- 15,700,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
1.マツカワメラニン凝集ホルモン(MCH)は他魚種MCHと同様に17残基で構成され、サケ型MCHとは第2位が異なる。合成MCHの腹腔内投与によってマツカワ皮膚のメラノソームが凝集したことから、本標品の活性を確認した。白背景で飼育したマツカワ脳内のMCH mRNA量は黒背景飼育魚よりも高い。本遺伝子の発現は無給餌飼育によっても高まることから、MCHの食欲への関与が示唆された。
2.マツカワの2種類のMCH受容体の構造を決定した。調べた18種類の組織中で、MCH-R1は脳のみで発現していた。MCH-R2の発現は脳、眼球、鰓、頭腎、腸、傾斜筋、精巣、皮膚などにおいて認められた。黒背景馴致マツカワ有眼側のMCH-R2 mRNAコピー数は白背景馴致魚よりも多かった。
3.合成メラニン凝集ホルモン(MCH)の脳室内投与によりキンギョの摂餌頻度が減少した。MCH抗体の脳室内投与では、逆に摂餌頻度が増加した。また、MCH細胞体は主に脳の視床下部に局在し、当該神経線維は終脳、中脳、間脳、および下垂体神経葉に投射する。従って、MCHは脳に作用を及ぼして食欲調節に関わるものと考えられる。
4.マツカワには3種のプロオピオメラノコルチン(POMC)が存在する。POMC-Aは脳下垂体のみで発現するが,POMC-B及び-Cは脳、鰓、心臓、脾臓、胃、腸、生殖腺、筋肉、血液、及び皮膚でも発現する。一方、マツカワ脳下垂体前葉と中葉におけるPOMCの翻訳後プロセッシングは哺乳類に類似する。しかし,前葉で副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)がさらに黒色素胞刺激ホルモン(MSH)に分解される点では異なる。
5.ACTHとMSHを認識するメラノコルチン受容体1型と4型の発現は脳、眼球、精巣、および皮膚で認められた。4型は肝臓でも発現していた。肝臓での発現は無給餌飼育により増加した。本受容体のエネルギー代謝への関与が示唆される。
2.マツカワの2種類のMCH受容体の構造を決定した。調べた18種類の組織中で、MCH-R1は脳のみで発現していた。MCH-R2の発現は脳、眼球、鰓、頭腎、腸、傾斜筋、精巣、皮膚などにおいて認められた。黒背景馴致マツカワ有眼側のMCH-R2 mRNAコピー数は白背景馴致魚よりも多かった。
3.合成メラニン凝集ホルモン(MCH)の脳室内投与によりキンギョの摂餌頻度が減少した。MCH抗体の脳室内投与では、逆に摂餌頻度が増加した。また、MCH細胞体は主に脳の視床下部に局在し、当該神経線維は終脳、中脳、間脳、および下垂体神経葉に投射する。従って、MCHは脳に作用を及ぼして食欲調節に関わるものと考えられる。
4.マツカワには3種のプロオピオメラノコルチン(POMC)が存在する。POMC-Aは脳下垂体のみで発現するが,POMC-B及び-Cは脳、鰓、心臓、脾臓、胃、腸、生殖腺、筋肉、血液、及び皮膚でも発現する。一方、マツカワ脳下垂体前葉と中葉におけるPOMCの翻訳後プロセッシングは哺乳類に類似する。しかし,前葉で副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)がさらに黒色素胞刺激ホルモン(MSH)に分解される点では異なる。
5.ACTHとMSHを認識するメラノコルチン受容体1型と4型の発現は脳、眼球、精巣、および皮膚で認められた。4型は肝臓でも発現していた。肝臓での発現は無給餌飼育により増加した。本受容体のエネルギー代謝への関与が示唆される。
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 16380139
- 体系的課題番号 : JP16380139
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
5-
Fisheries Science 73(2) 466-468 2007年4月 査読有り
-
General and Comparative Endocrinology 151(1) 135-141 2007年3月 査読有り責任著者
-
General and Comparative Endocrinology 145(3) 280-286 2006年2月 査読有り
-
General and Comparative Endocrinology 143(3) 251-256 2005年9月 査読有り責任著者
-
Aquaculture 244(1-4) 323-329 2005年2月 査読有り責任著者