2012年
東北地方太平洋沖地震の発生過程:なぜM9が発生したのか?
地質学雑誌
- ,
- 巻
- 118
- 号
- 5
- 開始ページ
- 248
- 終了ページ
- 277
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.5575/geosoc.2012.0023
- 出版者・発行元
- 日本地質学会
東北地方太平洋沖地震の発生過程を明らかにして,なぜM 9が発生したのかという問題に答えることは,今後の地震発生予測とそれによる災害軽減のために大変重要である.本総合報告では,この最終目的へ向けて,既に公表されている色々な解析結果をレビューし,総合的に考察するとともに,今後の課題を示した.最初に,東北地方太平洋沖のプレート境界断層とその周辺における地震発生場の特徴を,主に非地震性すべりの時空間的な変化に着目して調べた.次に,東北地方太平洋沖地震の地震前,地震時,地震後のすべり分布を調べた.これらの知見に基づき,これまで提案された東北地方太平洋沖地震の発生過程に関するモデルを検証した.その結果,M 9の地震を引き起こした鍵は,海溝近傍においてプレート境界断層が長期間にわたって固着していたことか,あるいは,震源から海溝軸にかけての領域において地震時に動的弱化が起こったことである可能性が高いことが指摘された.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.5575/geosoc.2012.0023
- ISSN : 0016-7630
- CiNii Articles ID : 130001915321
- CiNii Books ID : AN00141768