共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

ホモ・サピエンス躍進の初源史:東アジアにおける海洋進出のはじまりを探る総合的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03596
体系的課題番号
JP18H03596
配分額
(総額)
44,330,000円
(直接経費)
34,100,000円
(間接経費)
10,230,000円

①海域別調査(津軽・伊豆・対馬・琉球):津軽海峡については、青森の縄文早期遺跡出土黒曜石の原産地分析に着手した結果、従来土器の交流から予測されていたよりもはるかに活発な交流があったことが示唆された。伊豆諸島海域については、神津島などへの渡航を何度か成功させているシーカヤッカーから聞き取り調査を実施した。対馬海峡については、日本側の後期旧石器時代初頭の石器文化の容態と、対馬で縄文早期末に腰岳産黒曜石が搬入されていることを確認した。琉球列島海域については、徳之島(天城)・沖縄島(サキタリ洞)・宮古島(ツヅピスキアブ)の先史時代遺跡について発掘調査または遺物整理を実施し、遺跡形成過程や海産物資源利用について新知見を得た。さらに沖縄県内の遺跡出土品について自然科学分析(顔料分析、材質分析)に着手した。②日本周辺域の調査:日本列島への渡来ルートを検討する一助として、フィリピンの更新世~完新世石器群の調査を実施した。これらは後期旧石器時代初頭の剥片石器群を理解するための比較資料となる。③漂流シミュレーション:琉球列島への移住が偶然か意図的かを区別するための分析を継続した。④人骨研究:縄文時代人の上腕骨について大規模形態解析を実施し、海岸部集団の腕が太く舟漕ぎと関連している可能性をはじめて示した。⑤古代舟研究:先史時代の舟利用解明へ向けて、石斧による丸木舟製作実験とその海上テスト、縄文丸木舟の構造調査、近現代の丸木舟漁に関する聞き取り調査(秋田)、丸木舟の民俗資料調査(秋田・青森)を実施した。⑥石斧の研究:先史時代の舟製作に利用された可能性を追究するための各種調査として、関東南部の凝灰岩製石斧の石材原産地追跡調査、各地出土の石斧の観察と3D形状データ採取、実験使用痕分析を実施した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03596
ID情報
  • 課題番号 : 18H03596
  • 体系的課題番号 : JP18H03596

この研究課題の成果一覧

論文

  13

MISC

  3

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  6