2016年7月 - 2020年3月
質量顕微鏡データによる脳内環境の解読に向けた数理基盤の構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
2018年度では、これまでに行なった解析結果をまとめて国際会議(北米神経科学会年会)でポスター発表を行なった。具体的には、まず、野生型マウスおよび遺伝子改変を行なったノックアウトマウスから採取した4つの脳標本スライスに対して質量顕微鏡イメージングによって質量スペクトルを得た。次に、一標本あたり1.5万枚となる質量スペクトル画像列に対して、適当な前処理(スペクトル強度が低すぎるものをカットする等)を施して数千枚程度まで減らした上で、代表的な線形的な多変量解析手法である主成分分析とISOMAPや局所線形埋め込み(LLE)、t-分布確率近傍埋め込み(t-SNE)などの非線形の低次元可視化手法である多様体学習を対象である質量スペクトル画像列に適用した結果を比較した。t-分布確率近傍埋め込みにおいて画像間の距離をコサイン距離にとった場合、主成分分析の結果に比べて物質特性の違いを反映してより詳細なクラスタ構造を得ることができた。しかし、この方法では野生型とノックアウト型の間で分布構造に明確な違いは現れなかった。以上の結果を発表した。
また、昨年度から行なってきた正準相関分析を一般化した方法(「WT同士あるいはKO同士は相関を高く、WTとKOの間の相関は低く」という付加情報を重み係数に反映させた手法)によって野生型とノックアウト型を直接比較する方法を引き続き試みたが、昨年度と同様明確な差を抽出することはできなかった。
また、昨年度から行なってきた正準相関分析を一般化した方法(「WT同士あるいはKO同士は相関を高く、WTとKOの間の相関は低く」という付加情報を重み係数に反映させた手法)によって野生型とノックアウト型を直接比較する方法を引き続き試みたが、昨年度と同様明確な差を抽出することはできなかった。
- ID情報
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- 課題番号 : 16KT0134
- 体系的課題番号 : JP16KT0134