共同研究・競争的資金等の研究課題

2003年 - 2005年

治療抵抗性統合失調症の病態モデルと治療メカニズムの研究〜ドパミン仮説からの脱脚〜

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
15591207
体系的課題番号
JP15591207
担当区分
連携研究者
配分額
(総額)
2,900,000円
(直接経費)
2,900,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

D2型ドパミン受容体遮断を主作用とする定型抗精神病薬に対して治療抵抗性の病態モデルの1つとしてNMDA受容体機能低下モデルがある。一方で、D2遮断薬に対して反応性のモデルとして覚醒剤モデルがある。我々は、ドパミン機能過剰亢進という治療反応性の病態であっても、その程度が内側前頭前野や側坐核などでグルタミン濃度増加を持続、反復させる程に至ると、結果として、NMDA受容体機能が低下し、治療抵抗性の病態が形成されるとの仮説を立て、以下の結果を得た。内側前頭前野や側坐核でグルタミン酸濃度を増加させる用量の覚醒剤を、実験動物に反復投与すると、断薬後の投与の際にNMDA受容体遮断薬であるMK-801による移所運動などの異常行動惹起作用が増強し、覚醒剤反復投与時にprotein kinase C阻害薬、あるいはGABA系伝達促進薬であるvalproateを併用すると、MK-801への感受性亢進の形成が阻止されることを見いだした。さらに、valproateは側坐核での高用量覚醒剤投与による遅発性のグルタミン酸濃度の増大を阻止した。新規抗精神病薬であるolanzapineはこのグルタミン酸濃度の増加を阻止できたが、risperidoneは部分的に減弱させた。このことから、ドパミン機能過剰亢進によるグルタミン酸濃度増加の反復は、統合失調症の治療抵抗性の病態を形成し、この過程をGABA系伝達促進薬や...

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15591207
URL
http://kaken.nii.ac.jp/d/p/15591207.ja.html
ID情報
  • 課題番号 : 15591207
  • 体系的課題番号 : JP15591207