共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

胎生期樹状細胞の機能解析と同細胞による脳の炎症性発達異常機構の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H02644
体系的課題番号
JP18H02644
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
13,200,000円
(間接経費)
3,960,000円

胎生期の生体防御反応を担うと予想される樹状細胞を同定する為、胎生12日から18日にかけて継時的に肝臓を摘出してコラゲナーゼ処理を、CD11c、I-A/I-E、PDCA-1、F4/80抗体にて染色しフローサイトメーターにて解析した。この結果、F4/80陽性のマクロファージとは異なるCD11c+I-A/I-E+樹状細胞様細胞を見出した。同細胞は胎生12日から18日にかけて検出された。この細胞の貪食能、抗原提示能力及びT細胞増殖誘導能を有するかどうか検討する為、同細胞をCD11cマイクロビースで純化し、BALB/cマウス由来のCSFE標識したT細胞と共培養したところ、T細胞の増殖と活性化を誘導した。これらの結果から、胎生期CD11c+I-A/I-E+細胞は樹状細胞としての抗原提示能力を持つことが示唆された。また、我々は胎児肝臓内に樹状細胞前駆細胞と類似したCD135+CD115+CD127-細胞を同定している。そこで、胎生15日目の胎児肝臓細胞をサイトカインFlt3リガンドで6日間培養したところ、CD11c+I-A/I-E+樹状細胞様細胞に分化した。この細胞をCD11cマイクロビースを用いて純化し、樹状細胞としての生物活性を検討したところ、同細胞も抗原提示能力とT細胞増殖誘導能と抗原提示能力を有していた。これらの結果から、胎児肝臓内には樹状細胞への分化能力を有する前駆細胞の存在が示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H02644
ID情報
  • 課題番号 : 18H02644
  • 体系的課題番号 : JP18H02644