論文

査読有り
2019年12月

被災地の精神保健福祉活動に関する臨床心理士の支援経験と技能の習得度との関連について(Relationship between experience of support of clinical psychologists in mental health and welfare activities in disaster-stricken areas and skill proficiency level)

岩手医学雑誌
  • 藤澤 美穂
  • ,
  • 大塚 耕太郎
  • ,
  • 中村 光
  • ,
  • 遠藤 仁
  • ,
  • 小泉 範高
  • ,
  • 赤平 美津子
  • ,
  • 福本 健太郎

71
5
開始ページ
161
終了ページ
182
記述言語
英語
掲載種別
出版者・発行元
岩手医学会

本研究は臨床心理士を対象に,災害後の精神保健福祉活動に関する技能習得度の実態を調査し,支援経験の有無と習得度の関連や,学修経験と実行可能性・自覚的苦手さとの関連を明らかにし,災害支援に必要とされる教育的アプローチの要素を検討した.東日本大震災被災地の臨床心理士81名の回答を解析した.結果,災害時地域精神保健活動の知識・技能への重要性の認識の高さと有意に関連する因子として,多職種連携での支援経験やこころのケアチーム活動の支援経験等が抽出された.また災害時地域精神保健活動の実行可能性の高さと有意に関連する因子として,福祉領域での業務経験と教育領域への支援経験が抽出された.本研究の主な目的は災害時に臨床心理士に必要とされるスキルを明らかにすることであったが,災害支援として職種に限られない,組織的活動の展開に必要とされるコンピテンシーを身につけることが,心理専門職にとっても重要であると考えられた.(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0021-3284
  • 医中誌Web ID : U106560001

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